訪問リハビリを利用するには、コツのようなものがあると思います。
訪問リハビリの内容は、その人の体の状態、怪我や病気の有無、認知症の症状の有無などによって、違ってきます。
義母は歩行が困難なため、家の中では手すりを使用し、外では歩行器を使って散歩し、車椅子を使うこともあります。認知症なので危ない動きをしてしまうことが多く、時々転倒します。
訪問リハビリの利用はもう5年以上になりますが、義母にとっても家族にとっても、なくてはならないものになっています。
ここでは、訪問リハビリで義母がどんなことを実践しているのかをお伝えして、その意義を考えてみたいと思います。
義母が通所リハビリから訪問リハビリに変更した理由とは?
義母は、今までにいろんな所でのリハビリを経験しています。
病院でのリハビリ、通所リハビリ(デイケア)、訪問リハビリです。その中で最も長い期間利用しているのが訪問リハビリで、現在も継続中です。
義母が訪問リハビリを利用することになったのは、脳梗塞を発症したあと、歩行が不安定になり、認知症の進行も疑われたからです。
退院後、新しい通所リハビリに通い始めてすぐに「行きたくない」と言った義母に、ケアマネジャーが「訪問リハビリはどうですか?」と勧めてくれました。
あのときから現在までに、義母の歩行はさらに大変になり、動きも鈍くなりました。認知症は少しずつ進んでいます。
現在、義母の訪問リハビリで望むことをまとめてみました。これは、5年前とほぼ変わっていないと思います。
- できるだけ長い期間、歩行できるようにする
- 筋力の低下を防ぐ
- 転倒しない
- 日常生活を送るのに必要な能力を維持できるようにする
- 脳に刺激を与える
これらはケアマネジャーと話して、実際に理学療法士に伝えてもらっています。
義母の訪問リハビリは40分間!メニューは必要に応じて変更可能!
現在、義母の訪問リハビリを担当してくれているのは、男性の理学療法士のT先生(30代くらい)です。笑顔で、大きな声で義母に話しかけてくれます。義母はT先生が来ると、とてもうれしそう。ニコニコするんです。
T先生の前の担当の先生からは1時間のリハビリを受けていましたが、T先生には40分でリハビリをお願いしています。要介護2の義母は、デイサービス、ショートステイの利用のほか、訪問介護、福祉用品のレンタルなどで、利用できる介護保険の点数がぎりぎりなので、訪問リハビリの時間が40分しか取れないのです。
以前の訪問リハビリについては、こちらに書いています。
⇒ 訪問リハビリのメリットとは?要介護2で3年間続けてきた義母のケースをご紹介!
義母は訪問リハビリの40分間の中で、マッサージを受けたり、体操をしたり、歩行訓練などをしてもらっています。
その時々でメニューが変わり、必要に応じて、外に散歩に行ってくれることもあります。
私が「最近、立ち上がった時に尿が出てしまうことが多いんです」と言うと、「では、こういう運動をしてみましょう」となります。
義母は歩行器を使って外を歩いていますが、だんだん外に出るのが大変になってきました。
T先生は、それまで使っていた歩行器よりももっと安定した歩行ができるようにと、アームフィット(ひじ置き)が付いた歩行器を勧めてくれました。
この歩行器に替えて大正解でした。義母の安定します。歩行の距離がだんだん少なくなっているのは、もうどうしようもないのですが。
そして、アームフィットのおかげで、腕が痛くなることがなくなりました。また、座って休む時も、義母のおしりが入りやすくて、楽に休めます。
このように、福祉用具についてのアドバイスをもらえることも、訪問リハビリのメリットの1つです。
義母は家の中で転倒しやすいので、バランス力を養う体操、足の筋力をつける体操をやってくれています。また、私も教えてもらい、時々、義母と一緒にやっています。
手すりを使って横歩きをしたり、かかとの上げ下げをしたりするのは、ほんの5分でできるので、気が付いた時にはやるようにしています。
1週間に40分のリハビリだけでバランス力や筋力を養うことは難しいと思います。だから、できる範囲で、生活の中にリハビリを取り入れていくというのがいいのかな。
これって、けっこう面倒で、大変なんですけどね。
でも、義母が転ぶ回数が減ってくれればいいと思うし、どんどん歩きにくくなっていくのをそのままにしているわけにもいかないので、その面倒なことを今やっておこうかなと。
訪問リハビリでは理学療法士(作業療法士)に困ったこと、疑問に思うことを相談しよう!
訪問リハビリの内容は、一人一人異なります。また、その人の状態は毎回同じではないので、リハビリの内容も変わってくるでしょう。
逆に、どんな時でも同じメニューをこなそうとする理学療法士がいたら、手を抜いていると考えてもよいのでは?
本人が訪問リハビリのサービスを受けるので、家族は必ずしも同席しなくてもよいとされています(認知症の有無などで、本人と意思の疎通ができない場合は別です)。
私もかつては、最初の挨拶だけ済ませてその場を離れたこともありました。でも、理学療法士から学ぶことが多いので、同席するようになりました。
理学療法士や作業療法士などのプロには、困ったこと、疑問に思うことをぶつけてみて、いろいろ教えてもらうのがいいと思います。勉強をしてきているし、たくさんの利用者さんを指導してきているので、「このケースにはこの訓練が適している」というのがわかっているはずです。
理学療法士、作業療法士に限らず、介護でお世話になっている人たちは、「いろいろ聞いてくれると、こちらもうれしいです」と言ってくれる人が多いんです。
日常生活の中で心配なことを話し、対策を一緒に考えてもらうこともあります。
たとえば、「最近、薬を飲むのに時間がかかるんです」と言うと、のどの筋肉を鍛える体操を教えてくれたり、「転んだら、なかなか立ち上がることができないんです」と言うと、床にしりもちをついた状態から起き上がる練習をしてくれたり。
訪問リハビリを効果的に利用するためのコツは、こういうところにあると思っています。
まとめ
訪問リハビリの内容は、その人の状態によって異なります。また、こちらの要望や疑問を理学療法士にぶつけることによって、新たな訓練が加わることもあります。
まずはケアマネジャーに相談して、訪問リハビリが必要なのか、どんなリハビリを受けたいのかなどを確認してみてください。
義母の場合は、1週間に1回、40分という短い時間のリハビリなので、効果的に利用するためには、少なくとも週に1、2回は、教えてもらったメニューを家で実践することが望ましいそうです。
ほんの数分でできることばかりなので、それほど負担にはなりません。できない週もあります。無理はしません。
訪問リハビリの理学療法士とコミュニケーションを密に取ることでいろんなメリットがあるので、私はなるべく同席するようにしています。