介護には訪問歯科。歯を放置すると介護する家族が大変ですよ

要介護の人には、訪問歯科を受診することをおすすめします。

高齢になると、入れ歯が合わない、口臭がひどい、飲み込みが悪くなったなどのトラブルを抱えながらも、歯科に通うことが難しくなってきます。

訪問歯科には、どんなメリットがあるのでしょうか。

 

【介護中に訪問歯科を利用するにはどうすればいいの?】

訪問歯科とは、歯や口腔内のトラブルがあっても歯科医院に通って治療を受けられない人のために、自宅や介護施設まで来てくれる歯医者さんのことです。

訪問歯科を利用できる条件は、厚生労働省によってきちんと決められています。

・常時寝たきり、またはこれに準じる状態
・自宅、社会福祉施設等で療養を行っている

具体的には、高齢で介護を受けている人や、体が不自由で通院することが難しい人が対象になります。

訪問歯科診療を行っている歯科医院はまだまだ多くはないので、近所の歯科医院に電話しても、断られてしまう場合があります。

まず、担当のケアマネジャーやお住まいの地域包括支援センター、歯科医師会などに相談してみると、探してくれます。

「訪問歯科診療をお願いすると、介護保険を使うので、他のサービスを受けられなくなってしまうかもしれない」と心配する人が多いようですが、訪問歯科診療はケアプランの対象にならないので、そのような心配はいりません。

治療は医療保険の適用で、後期高齢者(75歳以上)は1割負担です。訪問費用は介護保険が適用されます。実際に支払う費用は、通院する場合と比べて400円~1500円くらいの差しかありません。交通費は通常必要ありませんが、歯科によっては請求するところもあるそうです。

 

【義母は普通の食事ができるようになった】

要介護2の義母が現在の訪問歯科医の診療を受けるようになってから、もう2年半くらいになります。

義母は、1年以上も入れ歯が合わない状態で、でも歯科に通うことができずにいました。私も、歯科を受診しても意味がないと思っていたので、積極的に動こうとはしませんでした。

ところが、現在のケアマネジャーに替わった時、訪問歯科の受診を強く勧めてくれました。そして紹介してもらったのが、現在の訪問歯科医です。

毎回、歯科医と歯科衛生士と歯科助手の3名で訪問してくれます。すべて女性です。

まず、虫歯の治療と、歯周病におかされた歯を抜き、抜いたあとが落ち着くのを待って、入れ歯を作ってもらいました。

ここまでで8か月かかりました。

入れ歯が合わない時には、かたいものをかめないので、義母の食事を作るのがとても大変でしたが、合う入れ歯を使うようになってから、普通のものが食べられるようになりました。

歯科衛生士が口腔ケアも丁寧にやってくれるので、介護する私も、今までのいい加減なケアを続けていることができなくなり、毎日、歯ブラシと歯間ブラシを使って義母の歯をみがくようになりました。

この時のことは、こちらに詳しく書いています。

⇒ 高齢者の入れ歯は合ってない。介護する人も楽になる方法

義母の入れ歯が合う状態になったところで、いったん訪問歯科の診療をお休みしました。すると、少しずつ入れ歯が合わなくなってきていたのですが、私が先延ばしにしていて、とうとう口を開けると上の入れ歯が落ちてくるまでになりました。

まずいなと思っていたら、今度は3本あるうちの1本の歯が、少しぐらぐらするようになり、さすがにこのままではいけないと思い、また訪問歯科の診療をお願いすることにしました。

歯科医師に、半年後くらいにまた連絡くださいと言われていたのですが、ちょうど半年が経っていました。

ぐらぐらする歯は、すぐに抜かなくても様子を見ていて大丈夫とのこと。入れ歯はかなり合わなくなっているので、調整することになりました。

義母の入れ歯は、4回かかって、やっと快適な状態に。歯科医は何度も何度も、義母の入れ歯を出したり入れたりして、どこかに痛みはないか、かみ合わせがきちんと合っているかをチェックしてくれます。

やはり入れ歯というのは、作ってそのままにしていたら合わなくなるので、メンテナンスが必要なんですね。

また、食事や薬の服用の時にむせやすくなったという悩みに対しては、嚥下をよくする体操や口腔体操を行ってくれます。

これからも、歯の健康のため、入れ歯のメンテナンスのため、口腔ケアのために、訪問歯科診療を続けていこうと思っています。

一度間があくと、そのままずるずると何もせずにトラブルを放置してしまい、あとあと面倒なことになると思うので、何も問題がないと思われても、1カ月に一度は来てもらうことにしました。

 

【介護で訪問歯科を利用するメリットとは】

義母が訪問歯科を利用して、よかったと思う点を、以下に挙げてみます。

・歩くのが困難なので、歯科医院の中を歩いたり、椅子に座ったりするのが大変だが、訪問歯科だとベッドに座ったまま治療が受けられるので、負担がない。

・治療は、リラックスした雰囲気で、楽しく会話しながら行われるので、義母が緊張することなく、あっという間に終わってしまう。(これは歯科医によるものだと思うが)

・介護する家族もその場に同席するので、治療の様子を見ることができる。疑問に思うことがあったら、その場で質問できる。

・口腔ケアや嚥下訓練の指導をしてもらうことができる。

・歯科医とケアマネジャーとの連携が取れていて、ケアマネジャーは定期的に歯科医の報告を受けている。義母の歯の状態をいろんなところからケアしてもらっているので、安心できる。

以上です。

歯科に通うのが嫌いだという人は多いですよね。私もその一人です。でも、こんな治療だったら、私も受けてみたいなと思います。

 

【まとめ】

訪問歯科の診療は、高齢で介護を受けている人や、体が不自由で通院することが難しい人が対象になります。

まず、担当のケアマネジャーやお住まいの地域包括支援センター、歯科医師会などに相談してみてください。

歩くのが困難だったり、体が自由に動かせなかったりする人は、自宅の椅子やベッドに座ってリラックスした状態で治療を受けられるのがメリットです。

治療は医療保険の適用で、後期高齢者は1割負担です。また訪問費用には介護保険が適用されます。

合わない入れ歯を使い続けている人が多いのですが、食事がうまくかめないと、健康にも支障が出てきます。入れ歯は使っているうちに合わなくなるのが当たり前だと考えて、調整する必要があります。

訪問歯科では、虫歯や入れ歯のトラブルへの対応だけではなく、口腔ケアや嚥下訓練もやってもらえるので、ぜひ利用してほしいと思います。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
私の在宅介護
明日美をフォローする
~ソワンライフ~ 在宅介護を続ける為のスキルと心をみがく
タイトルとURLをコピーしました