認知症の人はポータブルトイレを使うのが難しい!義母の失敗と家族の強硬手段とは?

認知症の人がポータブルトイレを使うことの意義について、考えてみます。

認知症が進んだ高齢者にとって、トイレで排泄することがだんだん大変になってきます。そこでおすすめなのが、ポータブルトイレを使うことです。

 

義母のトイレの失敗により、ポータブルトイレの導入に踏み切ってから約1カ月。試行錯誤の日々を送っています。

認知症の義母にとって、使い慣れたトイレの使用ができなくなり、ポータブルトイレに座ることには抵抗があると思います。

しかし、排泄時の安全を優先させなければなりません。

 

このページでは、義母にポータブルトイレを使ってもらうようになった経過をまとめています。なぜポータブルトイレに切り替えたか、どうやって慣れたのか、などについて書いてみたいと思います。

 

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認知症の人はトイレで失敗する?義母のトイレの失敗と家族の悩みとは?

義母のトイレの失敗については、今までに何度か書いてきましたが、少しずつ状況が悪くなっています。

今までも大変なことはいろいろありましたが、自力でなんとかトイレに行き、失敗しながらも排泄ができるということで、義母のトイレの使用を見守ってきました。

ところが、ここ3カ月くらいで、トイレの使用はもう難しいのではないかと思われる状況になってきました。

 

義母のトイレが大変になってきたことについては、こちらに詳しく書いています。

⇒ 介護でのトイレ介助、増えていく排泄の失敗にどう対処する?

上の記事を簡単にまとめると、こんな内容です。

義母のトイレでの失敗が増えてきた。特に夜は、1人でトイレに行くのが大変である。だから夜間はテープ式のおむつにしようと考えて義母に提案したが、本人が、「おむつの中で排泄することはできない」と言う。そうこうしているうちに、義母がトイレで転び、便器におむつを捨てていた(流していなかったので、トイレが詰まることは免れた)という出来事があった。

これをきっかけに、夜、義母のトイレ介助に通うことになった。

 

義母がポータブルトイレを使い始めてから、約2カ月になります。

実は、以前ポータブルトイレを使っていた時期が、少しだけあるのです。

5年前、義母が脳梗塞を起こした直後、夜間だけポータブルトイレを使用していました。その時は今よりも上手に使えていましたが、本人が「夜でもトイレで大丈夫」と言うので、やめました。

義母は、できればポータブルトイレは使いたくない様子でした。

それ以来、何度かポータブルトイレを使うことを試みましたが、やはり本人は嫌がるのです。

そして本人の問題だけでなく、私の問題でもありました。

ポータブルトイレを使うと、後の処理が面倒だ!

そう、白状すると・・私も、できれば義母にポータブルトイレを使ってほしくなかったんです。

そして今回は・・・。

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認知症の義母にポータブルトイレに座らせる!家族が取った強硬手段とは?

最初は、「夜だけポータブルトイレを使い、日中はトイレに行く」ということにしましたが、問題がありました。義母は昼間ぐっすり寝てしまい、昼夜逆転が起こるのです。

義母は、時計を見ても、周りが明るくても真っ暗でも、朝だと思ったら朝、夜だと思ったら夜なんです。

したがって、夜だけではなく、朝も昼も、ポータブルトイレを使用してもらうことにしました。

でも、義母はなかなかポータブルトイレを使うことを受け入れてくれません。私が介助するときはポータブルに座るのですが、それ以外はトイレに行ってしまいました。もちろん、夜もです。
さて、どうしたものか・・・。

 

おかあさんごめんなさい、という思いで取った手段は・・トイレが故障したと嘘をつくことでした。「トイレ故障中」と貼り紙をし、さらに「テープひも」で通せんぼをして、その先に行けないようにしました。

 

これでやっと、義母はポータブルトイレに座ってくれるようになりました。ただし、トイレまでは行くんです。「トイレ故障中」の貼り紙を見て、テープひもの先には行けないのを確認して、やっとあきらめる・・何度もそんなことを繰り返しました。

こんなことまでして、ポータブルトイレに座らせる意味があるのかどうか・・・。

 

家族みんなで話し合いました。ポータブル反対派もいました。でも、最終的には、これが大事だということになりました。

転ばないこと。

たとえ転んでも、大きな怪我をしないこと。

 

ポータブルトイレは、ベッドの脇に置いてあります。近くに手すりがあり、ベッドに取り付けた手すりもあります。バランスを崩して倒れたとしても、ベッドに手をついて立ち上がることができます。

トイレで転んだら、一人で立ち上がることができません(今まで何度も経験してます。肋骨にひびが入ったことも・・)。

 

ポータブルトイレを使用してから2カ月が経ちましたが、今のところ、義母は転んでいません。トイレまで歩く負担も減り、明らかに楽になっていると思います。

 

あいかわらず、「トイレはまだ直らないの?」と聞いてきます。私はいつも「ごめんね。まだ修理に時間がかかってるの」と返しています。

 

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認知症の人がポータブルトイレを使う難しさ!早めの対応が望ましい

認知症の人にとって、新しいことを覚えることはとても困難です。ポータブルトイレをどのように使うのか、なかなか覚えられません。

 

義母はポータブルトイレの便器の中にトイレットペーパーを捨てないで、外のゴミ箱に捨てることもあります。フタの閉め忘れなんて、しょっちゅうです。便座のカバーもよく汚します。

紙パンツ(リハビリパンツ)をはくのを忘れる、パッドをつけるのを忘れる、汚れたパッドを捨てずにベッドの上に置いたまま寝る、パッドの袋からパッドを全部出してしまう・・・。毎日、何か起こっています。

 

このタイミングでポータブルトイレに切り替えたことは、よかったと思っています。さらに認知症が進んだら、義母は一人でポータブルトイレを使うことはできなかったでしょう。

今でも、「一人で」使いこなせているかといえば、できていません。が、一緒に暮らす義兄に排泄の手伝いをしてほしくないという義母は、たとえ上手にできなくても、自分でやろうとします。

日中の何回かと夜中の1,2回、私が介助する以外は、義母が一人でポータブルトイレを使うことになります。

 

この先、義母の状況が変わってきたら、また排泄の方法も変わっていくと思います。

 

認知症の症状によって、ポータブルトイレを本人だけで使うのか、介助する人がいるのか、変わってきますよね。介助する人が必ず付き添うことができるのなら、トイレの使用を続けることもできるでしょう。

本当は、トイレで排泄するのがいちばんなのですから。

 

認知症の人が一人でトイレに行くのには、いろんなリスクがありますよね。かといって、寝たままでセットするテープ式おむつは、まだ使いたくないという人がほとんどだと思われます。

ポータブルトイレは、認知症の人でも、少しずつ慣れていくと思います。家族は、根気強く説明し、失敗にもつきあうという心構えが必要です。

 

いつポータブルトイレの使用を始めるかという判断は難しいと思いますが、できたら早めに慣れておくのがよいと思います。

 

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まとめ

義母は、トイレでの失敗が増えてきました。特に夜間に一人でトイレに行くと、転倒の危険性があります。

そこで、ベッドのわきにポータブルトイレを置き、すべての排泄をそこですることにしました。最初は拒否していましたが、少しずつ慣れてきました。

 

このタイミングがぎりぎりのところだったと思います。もう少し先に延ばしていたら、義母の認知症が進み、ポータブルトイレの使い方が理解できなかったでしょう。

義母の場合は、ポータブルトイレに切り替えたことにより、転倒することがなくなりました。また、夜中にトイレまで歩くという負担も減りました。

認知症の人がポータブルトイレを使いこなすことは大変だと思います。なぜ必要なのか、どの段階で使用するのかなどを考えて、試してみることをおすすめします。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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