認知症の人のデイサービス拒否。不安をやわらげる対処法とは?

認知症の人がデイサービスに行くのを拒否するのはよくあることですが、介護する人は対処に困ってしまいます。

説明して理解してもらうのが難しいので、無理やり行かせる形になってしまうと、後味が悪いですよね。

 

気持ちよくデイサービスに行ってもらうためには、どうしたらいいのでしょうか。

 

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認知症の人がデイサービスに行きたくない理由とは?

認知症の人がデイサービスを拒否するのは、特殊なことではありません。

まず、これから自分がどこに行くのかわからないので、不安です。何度言っても忘れたり、理解できなかったりします。

また、どこかに出かけるということは、それだけで面倒なことです。他人とともに行動することも、とても大変です。

 

家族が忙しそうに準備していたり、自分の着替えやトイレの介助をしてくれる家族がイライラしていると、それもまた不安につながります。

これから行くところが楽しいところだなんて、とても思えません。

 

職員が迎えに来て、「おはようございます」と声をかけてくれれば、安心して笑顔になって、「ああ、いつもの人だ。いつもの場所に行くんだ」と思えるかもしれません。

そして、デイサービスに着いたら、楽しく過ごせたりするのです。

 

その一方、職員や他の利用者さんたちとなかなか馴染めなかったり、活動に意欲が持てなかったりして、つまらなくなり、早く帰りたいと思う人もいるでしょう。

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認知症の人のデイサービス拒否に家族はどう対処したらいいの?

認知症の人がデイサービスに行くのを拒否した時、家族はどう対処したらいいのでしょうか。

「行ってくれないと困る」という気持ちを前面に出すと、本人は行くことを強制されていると感じ、ますます拒否が強くなる傾向にあります。

家族は、迎えに来た職員に、本人の拒否があることを伝えて、誘導する言葉をかけてもらい、それでもだめなら再度迎えに来てもらうよう頼んでみると、可能な限り対処してもらえるでしょう。

 

かつて私が介護職に就いていたとき、よくこのようなことがありました。再度迎えに行くのは大変でしたが、本人がデイサービスに行かないと家族の負担が大きくなるので、そこは職員の頑張りどころでした。

家族は職員の人と連携を取ることが大事です。こちらが気になっていることをはっきり伝えた方が、具体的に対処法が見つかると思います。

もしかしたら、本人の思い込みや誤解で、その施設のイメージが悪くなっているのかもしれません。

 

家族は、連絡帳に本人の朝の様子を書いて知らせたり、迎えに来てくれた職員に伝えたり、また必要があれば施設に電話して職員と話すなどということをしていくのがよいでしょう。

施設に迷惑だとか、施設に嫌がられるということはありません。むしろ熱心な家族だとみなされ、より協力してもらえると思います。

ただ、面倒なので、避けてしまうんですよね。でも、本人がデイサービスに行ってくれないと、介護する家族が仕事に行けなかったり、自分の時間が持てなかったりするので、頑張ってみてほしいです。

 

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義母がデイサービスに行きたくない理由とは?

義母が以前、デイサービスに行きたくないと言い出したことは、こちらに書いています。

⇒ デイサービスを嫌がる親。人間関係に悩んだ時の対処法とは?

 

あの時から何年も経ち、義母の認知症の症状がいろいろ見られるようになってから、また別の拒否が起こるようになりました。

最近では、「私、どこに行くの?」と聞き、「もえぎ苑(デイサービスの名前)だよ」と答えると、「ふ~ん」とうなずきますが、すぐに忘れます。

 

近くに住む私が義母の所に行くのは、もえぎ苑の送迎バスが来る約40分前。荷物の準備はすでに義兄がやっておいてくれます。私は義母のトイレ、着替え、洗面を手伝い、連絡帳のコメント欄に伝えたいことを書きます。

 

義母は3回に一度くらいは、行きたくないと言います。眠いから、膝が痛いからというのが主な理由ですが、職員の人が迎えに来ると、高い声で「おはようございます!」と言い、バスに乗ったら満面の笑顔でこちらに手を振ってくれます。

 

先日、着替えている最中に「行きたくないんだよね」と言いました。理由を聞くと、「あそこに行くと、いろいろやらされるから嫌なんだ」と。

多分、工作や体操、レクリエーションなどだと思います。

「そうなんだ。いろいろやらされるんだ」「うん」「じゃあ、やりたくないって言ってみる?」「・・・それは言えない」

それなら私が職員に話してみるということで、義母は納得しました。実際にはまだ話しておらず、少し様子を見ようと思います。

 

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義母の「行きたくない」への私の対応

少し前まで、義母と私はこんなやり取りをしていました。

行きたくないと言う義母に対し、「そんなこと言ったって、私は仕事だし、お兄さんはリハビリに行くし・・お母さん1人でどうするの? ご飯は誰が作るの?」(声をあらげる私)

「寝てるからだいじょうぶ。ご飯はいらない」と義母。

「そんなこと、できるわけないでしょ! 困らせるようなこと、言わないでよ」

これでは、義母はますます意固地になってしまいます。

 

では今だったらどんな対応をするかということ・・・

「そうかあ、行きたくないんだね。でも、○○さんは、おかあさんが休んだら、きっとさみしがるよ」

「ゆうべはよく眠れなかったから、午前中、少し眠らせてもらおうね」

「今日はもえぎ苑でおはぎを作る予定になっているけど、どうする? おかあさんの分も用意してあると思うんだけど・・・」

「おかあさんは体操が上手だから、みんなのお手本になっているんだって。休んだら、みんな困ると思うよ」

行ったら楽しいことが待っているとイメージできるようなことを言います。できるだけ穏やかに、笑顔で話すようにしているつもりです(できないこともありますが)。

それでも行きたくないと言うことは今のところありませんが、これから先はわかりません。

 

以前は職員や仲間とのおしゃべりを楽しんでいた義母ですが、今は、黙っている時間が多いそうです。

家にいる時は、昼間の睡眠が増えてきているので、デイサービスでも眠くなることが多いと思われます。でも、時々ベッドが足りず、ゆっくり寝られないことも。

多分自己主張の強い人もいると思うのですが、義母は外では不満を言ったり感情をあらわにしたりすることがありません。

 

かつては私にいろいろ愚痴を言っていた義母も、今は帰ってくるころには忘れてしまうのでしょう。もしかしたら、認知症ゆえ、ストレスをためるようなことは起こっていないのかもしれません。

頭がはっきりしていた時と比べると、デイサービスでの過ごし方はだいぶ変わってきたことと思います。

 

私にできることは、義母が少しでも楽しくデイサービスに通えるよう、職員の人と情報のやり取りをすることしかありません。

 

まとめ

認知症の人はデイサービスに行くのを拒否することがよくあります。

自分がこれからどこに行くのはわからないので不安だったり、他人とともに過ごすことに負担を感じるのです。

 

デイサービスに行きたくない理由がはっきりしている場合もありますが、家族の動きに反応することもあります。

介護する人は、デイサービスの職員に、本人の拒否について伝え、声をかけてもらったり、送迎の時間をずらしてもらうといいかもしれません。

 

デイサービスの職員とは、常に情報を交換しあい、本人が楽しく施設に通えるようにしていきたいですね。

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