親を施設に入れた罪悪感は感じなくていい

介護している人が施設に入所するまでには、家族はいろんなことで悩むと思います。

本人が拒否したり抵抗したりすると、心が痛みます。なんとか説得して入所させてからも、「いつ家に帰れるの?」「早く迎えに来てくれ」などと言われると、つらいですよね。

 

でも、入所を決めて実行した以上、本人が早く施設に慣れて、そこで穏やかに暮らせるようにしていかなければなりませんよね。

 

私も、先週、親を特別養護老人ホームに入所させました。

夫は義母の次男で、私たち家族は義母の家のすぐ近くに住んでいます。義母の介護には主に私が当たっていました。

 

義母を施設に入れたことを後悔しているわけではありませんが、ふとした瞬間に、罪悪感がむくむくと動きだすときがあります。

 

ここでは、親を施設に入れた時の罪悪感について取り上げてみようと思います。

 

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なぜ罪悪感が起こるのかを考えてみた

 

今の自分の感情をきちんと整理することで、前に進めるような気がします。そこで、私はなぜ罪悪感を持つのか、考えてみました。

 

①義母をずっと在宅で介護していこうと思っていたから

義母の介護がいつから始まったか、はっきりした境界線がありません。義父の介護をずっとやってきて力尽きた義母に少しでもいい思いをさせてあげたいと思いました。でも、きれいごとのような気もします。

 

それから約13年。その間に歩行が困難になり、認知症が進みました。日常生活のほとんどを援助してあげなければならなくなりました。

それでも最後まで義母を在宅で介護しようと、家族で話していました(病院で亡くなるのはやむをえないとして)。

 

ところが、義母の介護が続けられなくなる出来事が起こりました。それでも無理してこの生活を続けるとしたら、私の体が持たないと思いました。

 

②義兄の介護を優先させたから

先ほど書いた、「義母の介護が続けられなくなる出来事」とは、義兄の入院です。

義兄は義母の長男で、義母が入所するまでは一緒に暮らしていました。

ところが、義兄が突然、「横断性脊髄炎」という病気を発症し、歩くのが困難になりました。幸い、杖を使って歩けるまでに回復しましたが、導尿カテーテル(おしっこの管)をつけたまま生活しなければなりません。

多分、要介護2くらいになるでしょう。私は義兄のリハビリや通院に付き添うことになると思います。

 

義兄はもうすぐ退院します。介護用ベッドや手すりを借りたり、必要なサービスを頼んだりと、義兄を迎える準備を進めています。

 

義母と義兄の2人の介護。これはどう考えても、無理でした。だから義母に施設に入ってもらうしかなかったんです。

 

③本人にきちんと話して納得してもらったわけではないから

実は、義母本人に、施設に入ることになったということを伝えていません。息子(義母の孫)は、ちゃんと話すべきだと言いましたが、夫と私は、伝えないことを選択しました。

認知症が進んだ義母は、自分の家にいながら、「これからうちに帰る」などと言うこともあります。そんな義母に施設入所のことを伝えても、混乱するばかりだと判断したからです。

 

これから先、「うちに帰りたい」とか「いつ帰れるの?」などと聞いてくることがあったら、その時が義母に話すタイミングだと思っています。

 

今のところ、一度も帰りたいとは言いません。面会に行き、帰る時に「また来るからね」と言うと、「ありがとう。待ってるからね」と笑顔で言って、手を振ってくれます。

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義母がここにいないことの淋しさ

義兄が入院中なので、今、義母の家には誰もいません。私は1日に一度、義母の家に行き、窓を開けたり、義兄の洗濯(病院から持ち帰った下着やタオル)をしたりしています。

すでに義母の介護用ベッドや手すりはレンタル会社に返しました。広くなった部屋を見ると、義母が確かにそこにいたことを感じます。

やはり、淋しいです。

 

介護の日々は本当に大変でした。特に義兄の入院中は義母の家に泊まっていて、夜中のトイレに何度も起きたので、睡眠不足でした。

だから、義兄が戻ってくるまでの3週間ほどは、のんびりできるのです。夜もぐっすり眠れるし。

 

義兄の介護がどんな風になるのか、考えても、多分予想外のことが起こるだろうから、今はあまり考えないようにします。

 

ありがたいことに、助けてくださる人がたくさんいます。

なんとかなるだろう。そう思えます。

 

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後ろめたい思いは持たなくていいという結論

今、義母の起床時間は6時です。家にいる時は8時でした。

家ではいつも眠そうにしていたし、実際、寝てばかりいた義母が、今、私が面会に行った時は、いつも起きています。

 

食事は1汁3菜で、充実しています。

 

私は、義母の夜中のトイレのことが気になり、お茶を飲みたいだけ飲ませてあげることがありませんでした。今ではお茶はお変わり自由。お茶の好きな義母にとってはうれしいことでしょう。

 

そうそう。先日は、「この人と仲よくしてるの」という78歳の女性を紹介してくれました。名前は覚えていなかったけれど(笑)。

 

もちろん、困ったこと、大変なこともあります。それはまた別の日に書きますね。

ここまで書いてきて、少し気持ちが楽になりました。

 

義母を施設に入所させたことに対する罪悪感、後ろめたさは、多分、少しずつなくなっていくだろうと思います。

罪滅ぼしというわけではないけれど、3日に一度は義母に会いに行く私。このペースは、しばらく続きそうです。

私はずっと義母を大切に思ってきたし、それはこれからも変わりません。

今は目の前のことを淡々とこなしていくしかありません。

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