認知症の人のおむつ問題|私が悩みながらやってきたこと

認知症の高齢者がおむつを使うようになると、どの段階においても、大変さがあります。

排泄に関するお世話は、する方もされる方も大変で、うまくいかないことも多いでしょう。毎日のことなので、負担が多いと、ストレスがたまります。

私も日々、おむつのことで悩み、迷います。

 

【義母のおむつ、だんだん大変になってきた】

義母がおむつを使い始めて、もう10年以上になります。最初は尿漏れパッドだけでした。そしてリハビリパンツとパッドの組み合わせになり、現在に至ります。

2年くらい前までは、自分一人でおむつの交換ができていました。時々、排便がうまくいかずに失禁してしまうこともあったけれど、私はほとんど手伝わなくてもよいくらい、義母は自分でできていました。

ところが、少しずつ認知症が進んでくると、今までできていたことが、できなくなってきました。

最近、困っていることを挙げてみます。

① 尿意を感じにくくなった、あるいはトイレに行くのが面倒なので、声をかけないとなかなかトイレに行かない。

② 義兄が「そろそろトイレに行こう」と声をかけても、なかなか動かない時がある(義兄の言うことを聞かない)。

③ リハビリパンツの中にパッドを入れるのを忘れる、また、リハビリパンツが汚れたので脱いで捨てたが、新しいものをはくことをせずに、パッドだけを当てていることがある。

④ 便秘がちなので、酸化マグネシウムで便をやわらかくしているため、パッドに柔便が付着することが多い。当然、肌にも便が触れるわけだが、自分では便が出ていることに気づかない。

⑤ 便失禁した時は自分で処理できないのに、自分で処理しようとして、衣服やトイレを汚してしまう。

⑥ 尿失禁せずにトイレに間に合うが、ズボンを下ろしたとたんに出てしまい、リハビリパンツもズボンもズボン下も濡らしてしまうことが多い。

⑦ ⑥の失敗をした後、どうしてよいかわからずに、ずっとトイレに座ったままでいることがある。特に夜中に起こり、義兄が対応している。

認知症の義母のおむつに関する悩みは、これからさらに増えていくだろうと思います。

 

【おむつの形態を変えてみたいけれど・・・】

義母は、基本的には、自分でトイレに行き、パッドを替えるということをしています。もうほとんど自分ではできないだろうというぎりぎりの状態ですが、今までずっと一人でやってきたので、それを続けています。

夜中は何度かトイレに起きていますが、付き添う者がいません。日中のトイレの介助は私がやっていますが、夜は自宅に帰っているので、手伝うことができません。

義兄は義母の排泄については、ほとんどやらないし、できません。義母がトイレから出てこないような時に、手助けをする程度です。といっても、夜中にこれをやるのは本当に大変です。

もし可能なら、夜中だけパンツタイプのおむつをやめて、テープタイプのおむつを使うようにしたいと思っています。

義母の就寝時におむつ交換をして、夜中にもう一度交換。そして朝までそのままで、朝早く、交換する。

こんな風にできたらいいと思うのですが、夜中にトイレに行かないことを義母に理解してもらうのは難しいでしょう。無理やりテープをはずし、おむつを取ってしまう可能性が高いです。

ケアマネージャーが、「今が最も大変な時ですね」と言いました。ここをどう乗り越えるか、義兄や夫とは何度も話しました。

 

【介護保険のサービスを利用してみることに】

ケアマネージャーにもいろいろ相談に乗っていただき、提案してくださったのが、介護保険を利用した「身体介護」です。

先月、要介護1だった義母が、要介護2の認定を受けました。利用できるサービスが、少し増えました。そこで、前から検討していたサービスを利用してみることにしました。

義母は、昼間の睡眠が深く、どこにも行かなくてよい日は、なかなか目が覚めません。最近は、義兄が起こしてもすぐにまた寝てしまいます。時々私が起こしに行くこともあります。

来月から来てもらう介護ヘルパーには、次のことをお願いしています。

・午後3時に来て、義母が寝ていたら、起こす。

・トイレに誘導する。尿が出ても出なくても、とにかくトイレに連れていく。

・衣類が汚れたり濡れたりしたら、着替えさせる。

以上を、週3日、1回30分でやってもらいます。

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【おむつの失敗がどんどん増えていく】

今日は午前10時ごろ、義母の所に行ったら、起きてテレビを見ていました。トイレに誘って、ズボンを下ろそうとしたら、ズボンの下に、パジャマのズボンをはいていました。これはよくあることで、パジャマを脱ぐように何度も言っていますが、寒いと言って、脱ぎません。

パジャマの下にはズボン下。これはヨーカドーで買った「ボディーヒーター」で、着やすくて暖かいものです。

さらに困ったことに、ズボン下の中にはパッドだけ。リハビリパンツを脱いだまま、はくのを忘れています。案の定、ズボン下もパジャマもズボンも、すべて濡れています。パッドがずれてしまっていたのです。

「あ~、やっちゃったね~」と言ってしまいました。

全部脱がせて、着替えます。そしてパジャマとズボンの濡れたところをつまみ洗いし、ズボン下は全部洗い、洗濯機で脱水して干しました。

トイレの壁には、こんな張り紙をしています。

「おむつパンツをはきましたか?」
「おむつパンツの中に、パッドを入れましたか?」

義母はこんなのは、見ていません。

何度も何度も同じことを説明するけれど、すぐに忘れます。

認知症の人に対して、「何度同じことを言わせるの!」なんて、決して言ってはいけません。

できないことがどんどん増えていきます。トイレに関することができなくなると、本当に大変になってきます。

 

【認知症の人のおむつ問題、プロに相談してみよう】

結局、これといってよい方法が見つかっていません。認知症は少しずつ進んでいるし、それにともなって、できないことが増えてきて、失敗することも多くなってきました。

トイレ誘導の回数を増やすこと、パンツ式おむつからテープ式おむつへの移行(とりあえず夜だけ)を考えること、週に3日、介護ヘルパーにトイレ誘導をお願いすることなどが、今できる具体的なことです。

義母はいずれ、もっと動けなくなるかもしれません。でも今は、手すりにつかまりながらゆっくりトイレに行っています。

時間をかけて、塗れたパッドを新聞紙にくるんで蓋付きケースに入れ、新しいパッドに替えるということを、やろうとしています。

夜中はおむつの中におしっこしてね、と言っても、「それはできない」と言います。何度か練習してみましたが、一緒についていないと、それは難しいのです。夜中の失敗が多いので、早急に対策を考えなければと思っています。

義母が直面している問題は、皆さんが介護する人の問題とは異なっているかもしれません。介護の段階もさまざまです。

このサイトで何度もお伝えしていることですが、困ったことがあったら、ケアマネージャーに相談してみてください。おむつの悩みにも答えてくれると思います。

もしかしたら、おむつ自体がその人に合ったものではないということもありますので、それも相談してみたらよいでしょう。

介護ヘルパーが上手なおむつの当て方を教えてくれたり、おすすめのおむつを教えてくれたりします。また、デイサービスの職員に話してみると、いいアドバイスをもらえるかもしれません。

今日もお疲れさまです。明日もよい日になりますように。

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