老老介護の両親の援助をどうする?認知症の父より先に母を失った体験から伝えたいこと

老老介護の両親が心配だけれど、自分は遠距離に住んでいるため、直接支援するのが難しいという悩みをよく聞きます。

家族が遠方に住んでいたり、頼れる肉親がいなかったりして、老老介護が続くことで、痛ましい事件が起きることもあります。

あなたのご両親は大丈夫でしょうか。

 

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老老介護は精神的にも肉体的にもキツイ!

介護保険制度や介護サービスについての知識や情報もないため、受けられるはずの支援を受けることができない人が多いですね。他人の手を借りるのに抵抗があるために、誰にも相談できず、介護者が一人で悩んでいる状況も問題です。

また、介護サービスを受けることを勧められても、それを拒否する高齢者もいます。自分はまだ介護を必要としていない、あるいは伴侶の介護は自分だけでやれるから他人の助けはいらないと言います。

 

介護する側が軽度の要介護状態であるということも多いのです。つまり、「誰かを介護している本人」が「介護される必要がある」状態であるということです。これはめずらしいことではないのです

 

老老介護の場合、介護する側の精神的、肉体的な負担は大きいですよね。

私は現在50代ですが、介護は楽ではありません。体力的にも精神的にも、疲れます。60代になったら、もっと大変になるでしょう。70代で介護するなんて、考えたくありません。今は考えられませんが、将来、夫の介護をする可能性がないとはいえません。

それはきついだろうなあと想像します。

 

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老老介護には限界がある!私が体験したこととは?

私は、両親と離れて暮らしていました。実家に帰る時は、電車と車(父か母が駅まで迎えに来てくれた)で3時間半かかります。結婚して子どもが生まれてからは、年に多くても3回しか帰っていませんでした。

母とは電話ではよく話していたので、両親の様子はよく理解していたつもりでした。

 

父が認知症を発症してから、困った行動が目立ち、母にはつらい日々が続いていました。父はアルツハイマー型認知症と診断され、薬を飲んでいました。

 

母から聞いたことですが・・・

ある時、夜中に玄関の音がしたので行ってみたら、父が外に出たばかりでした。母は必死で追いかけ・・遠くに父の姿を見つけ、大声で呼んで父を呼び止めて、一緒に家に帰りました。

父は、お世話になった人にお金を返しに行くつもりだったと、母に言いました。その時、父はお金が入ったかばんを持っていました。

 

父の徘徊が何回か続き、母は心身ともに参っていました。しかし、私がいくら介護サービスを受けるように話しても、母はそれを拒否していました。

母からその理由をはっきり聞いたことはありませんが・・・。母はかつて保健師をしていて、退職後は福祉関係の仕事に就き、高齢者の介護認定にも携わったことがあるので、自分がそれを利用することになるなど、プライドが許さなかったのだと思います。

 

長男である弟の家族が両親の家の近くに住んでおり、弟が週に何度か両親の家に行ってくれて、母は心強かったようです。弟は介護福祉士をしていて介護の情報にも詳しいので、私は安心していられました。

時に弟のアドバイスを聞かないこともある母でしたが、頭がしっかりしており、元気だったので、両親のことは大丈夫だと思っていました。

 

ところが、そんな母が、父を残して、突然逝ってしまったんです。入浴中に意識を失ったのです。いろんな手段を試みましたが、母は戻ってきてはくれませんでした。

弟はその何時間か前に、母を車で買い物に連れて行きました。翌日は父の病院なので、弟が午前9時に両親の家に迎えに行くことを約束して、別れたばかりでした。

本当に、母は亡くなる直前まで、忙しく動き回っていたんです。

このとき母は81歳でした。父は母より1つ上です。

 

このように母を失ったことは、私にとって本当につらいことでした。両親のために、母のために何もできなかった自分を責めました。

私には介護しなければいけない義母がいるので、両親のことは弟夫婦に任せきりでした。義母を見送ったら両親に親孝行しようなんて、今思えば甘いことを考えていたんです。

電話口ではいつも義母のことを気づかってくれた母。私が義母のことを話すと、いろんなアドバイスをくれた母。「私は大丈夫だから・・」という母の言葉が耳に残っています。

 

限られた時間の中で自分の趣味を大切にし、友人にも恵まれていた母を、まだまだ元気で長生きしてくれると、私は無理やり思おうとしていたのかもしれません。

実際は、父のことで負担が大きくて、ストレスがたまっていたと思います。80歳を超えていたので、肉体的にもきつかったと思います。心臓の持病もあったので・・実は全然大丈夫ではなかったんです。

 

父より長生きすると誰もが思っていた母が、父よりも先に逝ってしまいました。

ありえないことです。

老々介護で、介護する側が倒れてはいけないんです。まして自分が先に死んでしまうなどということは、決してあってはいけません。

 

父は母の死後、弟の家族と暮らすことになりました。弟の家族が両親の家に移り住んだのです。

 

母の死後、父の認知症は急激に進み、初めて受けた介護認定は3でした。その後、老人施設に入所し、現在に至ります。今では私のことも孫たちのこともわからなくなってしまいました。
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老老介護の両親を助けるためにすぐにやるべきことを挙げてみた!

老老介護を続けていくことは、いろんなリスクがあります。それを少しでも避けるためにできることを、挙げてみます。

両親が何に困っているのかを把握する

日常生活でどんなことに困っているのか、両親とゆっくり話してみることが大事だと思います。本当のことを正直に話してくれない場合もありますが、両親の生活をじっと見てみると、気づくことがたくさんあるでしょう。

たとえば、以下のようなことです。

  • 掃除するのが大変になってきた。
  • 自宅で入浴するのが難しくなってきた。
  • 食事の時によくむせるようになってきた。
  • 日中寝てばかりいて、夜起きている。
  • 人と話すのが好きだったのに、最近、ほとんど人と会わない。

気づいたことを書き出してみるとよいと思います。

認知症の症状はあるのかどうか、把握する

高齢になると、もの忘れが目立つのは自然なことですが、認知症の症状があるのかどうかを見極めることは、介護において大事なことだと考えます。特に、老老介護の場合、認知症の相手を介護するのは本当に大変なことです。

 

最近は、介護する側とされる側の両方が認知症を発症している「認認介護」も問題となっています。

 

認知症が疑われたら、まず医師の診断を受け、日常生活で注意すべきことは何か、進行を遅らせるための対策を考える必要があります。

自分がどこまで支援できるかを考える

たとえば、遠方に住んでいるなら、月に1、2回程度、両親の元を訪れて、家の片付けをする、一緒に食事をするなど、具体的に支援の方法を考えるとよいと思います。金銭的なことで援助するということもあるでしょう。

支援してくれる人を探す

自分の兄弟は両親の近くに住んでいますか?介護を引き受けてくれるのでしょうか。また、両親の兄弟や親類などはどうでしょうか。現在の状況を詳しく説明して、助けてもらえることがあるなら、お願いしてみてはいかがでしょうか。

また、ご近所で親しくおつきあいしている人がいたら、たまに声をかけてくださいとお願いしてみるのもよいと思います。

私の友人のお母さんは、先日、心臓が苦しくなった時に、親しくしている隣の人が救急車を呼んでくれたそうです。

支援してくれるサービスを探す

ご両親は、すでに要介護認定を受けていますか?介護保険を利用したサービスを受けるには、まず要介護認定を受ける必要があります。

お住まいの地域包括支援センターや市役所の窓口で問い合わせることから始めてください。そして、ケアマネージャーを紹介してもらいましょう。

 

デイサービスを利用したり、介護用品を借りたり、訪問介護を受けたり、掃除や料理の援助を受けたりと、今必要なサービスを、ケアマネージャーと相談して決めていくことをおすすめします。

ショートステイを利用することも一つです。介護者がゆっくり休むことも優先させてください。

介護している人の話や愚痴につきあう

介護している人は、ストレスがたまります。解決はできないかもしれないけれど、話を聞いてもらうことで落ち着くこともあります。遠くに住んでいても、電話でつながっているという安心感を与えることもできます。

 

両親の老老介護が心配だと思います。自分はまだ頑張れる、人の助けはいらないという母親あるいは父親の気持ちを尊重しつつ、適切なサービスが受けられるようにしたいですね。

 

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まとめ

老老介護の両親を援助したいけれど、住んでいる場所が遠かったり、仕事が忙しかったりして、思うようにいかないこともあります。

老老介護では、肉体的、精神的な負担が多く、介護する側が倒れたり体調を崩すというおそれもあります。時に、介護される人より先に逝ってしまうことも。

そうならないために、できることをやっていきましょう。

① 両親が何に困っているのかを把握する

② 認知症の症状はあるかを把握する

③ 自分がどこまで支援できるかを考える

④ 支援してくれる人を探す

⑤ 支援してくれるサービスを探す

⑥ 介護している人の話や愚痴につきあう

老老介護に直面している両親の気持ちを尊重しつつ、必要な介護サービスが受けられるようにしましょう。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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