高齢者の意欲低下は仕方がない?認知症の人は?家族の対処について考える

高齢者によく見られる意欲低下について、あなたはどのように対処していますか?

もともとの性格や認知症の影響も考えられるので、意欲低下かどうかを見きわめるのは難しいでしょう。

高齢者がいつまでも元気で生き生きと暮らすためには、どんなサポートをしたらいいのでしょうか。

私の義母の体験をお伝えしながら、高齢者の意欲低下について考えてみたいと思います。

 

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高齢者の意欲を高めるために、どんな言葉をかけたらいいの?

高齢者の意欲低下を防ぎ、やる気を高めるためにできる簡単なことの1つに、「声かけ」があります。

肯定的な声かけは、高齢者が自ら行動を起こすことを後押しするのに効果があるという研究結果もあります。

肯定的な声かけにより、高齢者のやる気が高まり、リハビリテーションやレクリエーションに意欲的に取り組むという期待も持てます。運動機能や脳の機能を活性化させることにつながれば、認知症の予防にもなるでしょう。

 

日常の会話の中に、相手を肯定したり褒めたりする言葉を入れることも大事だと言われています。

これは言うのは簡単ですが、実践するのは難しいことです。特に、今までやってこなかった人にとっては、抵抗があるかもしれません。

 

私は、義母に対して肯定的な言葉を使うことに抵抗を感じることはありません。元々は他人の関係だからかもしれません。実の親子だと照れくさかったりするのではないでしょうか。

義母と一緒に歩く時に、「今日は調子がいいね。足が軽く動いているね」と言うと、「そう?」なんてうれしそうです。

「88歳でこれだけ歩けるなんて、すごいよ。100歳までは歩けるね」と、これは言い過ぎだろうと思うようなことも言ってしまいます(笑)。

「おかあさんは幸せだね」「ついてるよね」「ご先祖様に守られてるんだね」というのも、よく言う言葉です。

 

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高齢者の意欲を高めるために家族ができることは?義母の体験をご紹介!

もともと好奇心が旺盛でいろんなことにチャレンジしていた人でも、加齢とともに意欲が低下することはよくあることです。

若いころからの趣味や好きなことをずっと続けてほしいのですが、だんだん興味が薄れ、億劫になり、やらなくなってしまいます。

でも、介護する家族のサポートによっては、ある程度、やり続けることができると思います。

たとえば絵を描くのが好きな人には、道具を用意してあげて、「何を描くか」「どこで描くか」などについて本人と話し、どこで描くのかを決めた場合は、一緒に出かけていくといいでしょう。

それはとても難しいことだということは承知しています。毎日の介護で手いっぱいで、本人の趣味につきあう余裕など、こちらにはないのですよね。

頑張ってつき合ったとしても、「行きたくない」「やりたくない」「俺はやらない。お前がやればいいだろう」なんて言われたりしますからね。

 

私の父は定年退職してから書道をやるようになり、熱心に教室に通っていましたが、70歳半ばごろから書道に対する興味を失ったようでした。そこで教室に行くことを勧めてみたり、孫に習字を教えてくれるように頼んでみました。

すると、またやる気を出して、それから何年か書道を続けたのです。実家には、父の書いた作品がたくさん飾ってありました。

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高齢者の意欲が低下するのはしかたがない!認知症なら当たり前のことだと割り切る!

高齢者の意欲低下への対策は、周りが頑張ってなんとかしようとすればするほど、空回りします。

もうこれは、しかたのないことなんです。

 

認知症も加わると、いっそう物事に対する興味はなくなっていき、自分から進んで行動することは困難になります。

義母は認知症で、現在は自分の身の周りのことをサポートしてもらわなければならない状況です。

かつては、小さな「好きなこと」がたくさんある人でした。

 

大好きな車の運転は、脳出血を起こした70歳くらいの時にあきらめなければならなくなりました。外に出る時は必ず車を使っていた義母は、このころからあまり外に出ることがなくなりました。

それ以外で好きなことは、ジグソーパズル・新聞に載っているクイズやパズルを解くこと・孫たちとゲームをすること・テレビで時代劇を見ること・本を読むこと(時代小説)などでした。

88歳の現在、この中で今やっていることは、ジグソーパズルと時代劇を見ること、ごくたまに孫とトランプをすることだけです。

ジグソーパズルは、ピースが少ないものをやっと探し出して、何度も繰り返しやっています。かわいい犬の写真がパズルになったものです。1人ではできないので、手助けをしながら、時間をかけて仕上げます。

 

トランプはデイサービスでもやっているようですが、得意だった「七並べ」も、今はルールをその都度説明し、一緒に考えてあげなければカードを出すことができません。でも、本人は楽しんでやっています。

 

時代劇は、かつては毎日見たがり、有料のチャンネルを契約してほしいと言っていましたが、家族は反対しました。1日中テレビばかり見ていたら体を動かさなくなり、よくないと思ったのです。

現在は1時間の時代劇にも集中できなくなり、途中で寝てしまうことがしばしば。あのとき時代劇チャンネルを契約していれば、今でもしっかり理解しながら見られているだろうかと思うことがあります。

 

読書については、2年くらい前まで、私が図書館で本を借りてきていました。義母は1冊を3日くらいで読んでいました。

しかし、前日に読んだ内容が思い出せなくなり、本を読んでもつまらないと言うようになりました。子供向けの大きな活字の本にもだんだん興味を示さなくなり、私は本を借りてくるのをやめました。

 

自分から何かをしたいとは言わなくなった義母。もっといろんな希望を聞いてあげればよかったと思います。

後から悔いてもどうしようもありません。

 

高齢者がやりたいということがあるなら、できるだけやらせてあげたり、つきあってあげてほしいと思います。ほんの少しの例外を除いて、どんどん意欲は低下していくからです。

高齢者は、元気なころに比べれば、集中も続かないし、すぐに疲れてしまうでしょう。でも、何かのきっかけで、ほんの少しでも目が輝いたり楽しそうにしたら、そこから次の何かににつなげられるのではないかと思うのです。

 

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まとめ

高齢者の意欲低下は、ある程度はやむを得ないといえます。認知症が進むと、いっそうその傾向が強くなります。

介護する家族のサポートとして効果があるとされているのは、肯定的な声かけです。相手を肯定したり褒めたりすることで、高齢者が自ら行動を起こそうという気持ちになるのです。

また、本人のやりたいことや好きなことが続けられるように、家族はできる範囲で援助することも必要です。

集中するのが難しく、またすぐに疲れてしまったりして、1つのことをやるのは大変だと思いますが、ほんの少しでも興味を示したら、そこから次のことにつなげられるのではないでしょうか。

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