介護におけるトイレ介助の問題に直面している人は多いと思います。
「多くの人は、どんな状況になっても、自分でトイレに行きたいと思っているんです」
これは、義母のケアマネジャーがよく言っていることです。だからこそ介護する側の苦労は増えるのですけれど。
私は今まで義母のトイレの問題につきあってきましたが、最近になって、もうお手上げという事態にぶつかり、これからどうしたらいいのか悩んでいます。
正解がない問題ではありますが、体験を共有することで、皆さんの悩みを解決する参考になれば幸いです。
高齢者は自分でトイレに行きたい!認知症の人も同様!
高齢者のトイレの介助は、ずっと続きます。そしてどんどん大変になっていきます。
歩くのが困難になってきた高齢者は、だんだん歩かなくなっていきます。車椅子を使うようになり、それも困難になったら、ベッドで過ごすようになります。
では、トイレに行くのが難しくなった高齢者は、どうするのでしょう。ベッドの上で、あるいはベッドの脇に立って、おむつ交換をさせてくれるのでしょうか。
いや、「自分でトイレに行く!」と言う人が多いでしょう。
おむつの中で排泄するのではなく、トイレで排泄したいという気持ちは、とても大切です。その気持ちを奪うことは、人間の尊厳を奪うことにもなりかねないと思うのです。
介護する側にとっては手かかかって大変なことなのですが、高齢者の「自分でトイレに行きたい」という思いを尊重するしかないのですよね。
高齢者のトイレでの失敗は夜中に多い!義母の失敗のパターンとは・・?
私は、義母のトイレ介助を可能な限りやっています。
また、週に2~3回、介護保険を利用して、訪問介護でトイレ誘導と清拭をお願いしています。
でも、トイレでの失敗は、たいてい誰の助けも借りない時に起こるのです。
義母は夜中にトイレに起きる回数が多く、3回~6回くらいはトイレに行っています。そして、夜中に出る尿の量は、昼間のそれよりも多いのです。
夜中のトイレでの失敗に立ち会うのは、義母と一緒に暮らしている義兄です(私は近所に住み、毎日通っています)。
義母は、濡らしてしまったパジャマのズボンやズボン下、リハビリパンツを脱いで新しいものに着替えることができず・・・ずっとトイレに座ったままということもあるそうです。
義母の夜中の行動パターンです。
・トイレに行きたいと思い、ベッドからトイレまで歩いていく。
・すでにパッドは濡れているが、本人はトイレまで間に合うように、おしっこを我慢しながら、トイレまでたどり着く。
・ズボンとズボン下、リハビリパンツを下ろす時に、尿が出てしまい、全部を濡らしてしまう。
こういうことが3日に一度くらい起こります。ひと晩に2回、起こることもあります。義兄は夜中に何度か起きて、義母を助けています。
朝の洗濯も大変そうです。
そこで、夜だけでもトイレに行かずにおむつの中におしっこをしてほしいと、義母に提案してみました。そして、ベッドに座ったままおしっこする練習をやってみました。でも、何度やってみても、難しいのです。何よりも、義母の拒否が強いのです。
「このおむつは4回分のおしっこを吸収してくれるから、絶対に大丈夫。漏れないから」と何度言っても、義母は納得できません。実際に、コップ4杯の水を、パッドとリハビリパンツの中に流し入れて、義母に見せました。「すごいね~」と言うものの、自分のおしっこを吸収してくれるとは思えない様子。
座ったまま、おむつの中におしっこをする練習をしてみましたが、義母はどうしても抵抗があるようで、「できない」と言います。
できないのは、義母だけではないと思います。多くの高齢者は、おむつの中におしっこをすることは難しいのです。
私がそれをやれと言われたら・・・多分、できません。
高齢者のトイレでの転倒が心配!おむつに切り替えたいが難しい・・
私は近居介護をしています。夜のトイレ介助は大変なので、できたら避けたいと思っていました。それが最近、あることがきっかけで、夜中に義母の家に行くようになったんです。
何があったかというと・・・。
先週、義母がトイレで転び、わき腹と背中を痛めました。今までにも何回も似たような転び方をしており、肋骨にひびが入ることが2回。義母の痛がり方からして、今回も同様ではないかと思いました。
でも、病院には行きませんでした。これも今までの経験から、「病院に行っても、治療法はなく、痛み止めの薬を出してもらうだけ。あとはコルセットをして安静にしているしかない」ということがわかっていたからです。
レントゲンを撮って、「あ、ここにひびが入っていますね」「よくなるまでに2週間くらいかかると思います」と言われるだけなんです。
少し動いただけでも顔をしかめ、うめき声が出てしまうほどの痛みに耐える義母。トイレに行くことは重労働です。
「おかあさん、こんな時は、おむつの中におしっこしようよ」と言ってみましたが、義母はうんと言いません。どんなに痛くても、トイレに行きたいと言います。
もうお手上げ~
しかたがないので、夜、何度も義母の家と自分の家を往復することになりました。そしてやってみたら、これはどうしても必要なことだと実感しました。今まで面倒だからといって避けていましたが、これ以上は逃げてはいられません。
夜の訪問を始めてからまだ1週間程度です。毎日必ず行くと断言はできません。可能な限り、行こうと思っています。
介護が必要な高齢者と同居していて、トイレの介助をしているご家族は、特に夜の負担が大きいと思います。
認知症が進むと、排泄を自分だけの力でするのは、いっそう難しくなってきます。。介護する家族は夜中に何度も起きて、トイレの介助をすると、もうへとへと。常に睡眠不足の状態が続いている人も多いですよね。
このようなことが続くと、家族が体調を崩すことになります。できたら、どこかで短い睡眠を取れたらいいですね。
ショートステイを考えてみることも必要になってくるかもしれません。
まとめ
高齢者は、歩行が困難になっても、体に痛みがあっても、自力でトイレに行くことを望んでいます。トイレでの失敗が多くなると、介護する側は、全部おむつにしてもらおうと考えますが、拒否されます。
でも、トイレで排泄したいという高齢者の気持ちは人間の尊厳にも関わることなので、尊重してあげたいですよね。
特に夜は、昼間のトイレよりも回数が多い高齢者も多いので、介護する家族の負担は大きく、睡眠不足をどうすることもできない状況です。
高齢者のトイレ介助の問題は深刻ですね。私も現在、模索中です。
介護を続けるあなたが、少しでも休息を取れますように。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。