高齢者の便失禁にどう対処する?気持ちの持ち方や処理のしかたを見直そう!

高齢者の便失禁には悩まされますね。便をやわらかくする薬を飲んで、それが効きすぎて下痢をして失禁する人も多いそうです。私の義母もこのパターンです。

できることなら便失禁は避けたいものですが、高齢になるとその悩みはますます増えていきます。介護する私たちは、どのように対処したらいいのでしょうか。

 

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高齢者の便失禁にはいろんなパターンがある!便秘の薬の量が難しい!

「便失禁」とは、無意識に、または自分の意に反して便がもれてしまうことです。

若くてもこの症状がある人がいますが、ここでは高齢者の便失禁に限定します。

 

加齢によって排便にかかわる肛門括約筋の機能が低下することで、便意を感じにくくなります。したがって、高齢者の便失禁はしかたのないことなのです。

 

「便失禁」なんて、あまりよい呼び方ではないことは承知していますが、わかりやすい言い方なんですよね。

 

高齢者の便失禁とひとことで言っても、もともと下痢をしがちな人もいれば、便秘の薬を飲んで便が柔らかくなったために失禁する人もいます。下痢でも便秘でもないけれど、おむつに便をもらしてしまう人もいます。

 

いずれにしても、便をもらされると、介護する側は大変です。ああ、やられた!とか、ツイてないな、という気持ちになります。特に、こちらが急いでいる時だと、感情的になってしまうこともあります。

 

義母は便秘がひどくて、毎日、便をやわらかくする薬(マグミット)を飲んでいます。それでも出ないので薬を増やすと、今度は下痢をしてしまいます。最近は、便失禁は当たり前のことになってきたのです。

 

便秘の薬は、量を調整するのが本当に難しいですよね。便が出なくて1錠追加したら、今度はやわらかくなりすぎてしまって・・・。もう、どうしたらいいの!?という感じです。

医師に相談しても、解決しないことが多いです。

いろいろやってみながら、薬を飲むタイミングや量を調整していくしかないんですよね。

 

下の世話の悩みについて、こちらに詳しくまとめていますので、参考にしてください。

⇒ 介護では【下の世話】ができるかが問われる!楽に行う方法を3つ挙げてみた!

 

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高齢者の便失禁の対処法とは?

まずは、介護している相手が便失禁しても、あわてない、責めない、イライラしないことです。実際は難しいことなのですが、常に自分に言い聞かせていれば、いざという時、少しでも冷静になれるのではないかと思います。

排便の失敗が日常的に起きていれば、「ああ、またか」ということで、すぐに動くことができるでしょう。ところが、初めてであったり、ごくたまにだったりすると、何をどうしてよいのかわからず、パニックになります。

 

何事も慣れなので、何回かやっていると、処理にもあまり時間をかけなくてすむようになるし、手際よくできるようになっていきます。

 

ここでは、リハビリパンツを使用している人の排泄ケアについて、説明します。

 

【用意するもの】

  • おむつ(リハビリパンツ パッド) 着替え 介護用手袋
  • 新聞紙 ビニールシート(大きなゴミ袋でも可) 洗いおけあるいはバケツ
    下拭き用のタオル1~2枚
  • 陰洗ボトル(500mlのペットボトルでも可)

 

【排泄ケアの手順】

  • 介護用手袋を着ける。グローブなどと呼ぶこともある。汚れがひどいと思われる場合は2枚重ねて着け、汚れたら、外側の1枚を捨てる。
  • 本人をすぐ便座に座らせられるような状態にしてから、リハビリパンツの両サイドを破って、脱がす。リハビリパンツとパッドにきれいな部分があったら、その部分で皮膚に付いた便を取り除く。
  • トイレに流せる便は流してから、新聞紙にくるんで捨てる。
  • 下着や洋服が汚れていたら、脱がす。
  • トイレットペーパーで、拭き取れるところを軽く拭き取る。
  • 陰洗ボトルにぬるめのお湯(40~42℃)のお湯を入れ、少しずつ流して汚れたところを洗っていく。ごしごしこするのは禁物!
  • 汚れが広い範囲に及んでいたり、隠洗ボトルだけではきれいにならない時は、本人の状態に応じて、シャワー浴をする。
  • きれいになったら、乾いたタオルで拭く。あるいは、熱めのお湯(50~60℃くらい)で濡らして固くしぼったタオルで、拭く。(本人が気持ちがいいという程度の温度に調節する。)
  • きれいな下着と洋服に着替える。

 

後片付け

  • 汚れたものを洗濯する(トイレの便器の水で簡単に洗った後、風呂場などで洗う)。
  • 靴の裏や手すり、トイレの床や便器など、汚れているところはないかチェックし、汚れているところをぞうきんなどで拭く。
  • 他に汚れている部分があったら、掃除をする。

介護ヘルパーに教えてもらったやり方に、私自身がやってみてやりやすい方法をプラスしています。その時々の失禁の状況によって、多少やり方は変わります。

 

私は、慣れない時は、すべてやり終えるのに1時間半くらいかかったこともありますが、今では30分から1時間でできるようになりました。

まだけっこうかかっていますね。もっと時間短縮できたらいいのですが、義母の動きがゆっくりなので、あまり急がせると危ないということもあり、このくらいはしかたがないかなと思っています。

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【便失禁なんて全然平気!】と言い聞かせる!手早く処理できるようにしよう!

義母は、最近、3年ぶりくらいに下剤を飲みました。便が出ない状態が1週間以上続いていたからです。そしたら、3日間も下痢が続いてしまいました。3日目は、少しだけパッドに便が付く程度でしたが。

 

認知症の義母は、自分では、便が出ていることに気づいていないことが多いのです。

 

介護ヘルパーに週3回来てもらうようになってから2カ月になります。毎回、お湯で洗ってくれたりタオルで拭いてくれたりするので、とても助かっています。でも、便失禁をするのは、いつも私がお世話する時です(笑)。なぜなんでしょうね。

 

デイサービスでは最近、入浴すると便が出ることが多く、先日は職員の方が義母の便を手で受けてくれたそうです。頭が下がります。デイサービスでは、入浴前に便がゆるい状態だと、シャワー浴となることが多いです。

 

デイサービスの連絡帳には、「今日、バナナ1本分の便が出ました」とか「昼食後、便失禁ありました」などと職員が書いてくれて、義母の排便の状況がわかるようにしてくれます。

 

私が介護職に就いていた時は、利用者さんの便の処理を手際よくやることができなくて、本人から「早くしてくれよ!」「何やってんだ!」などとどなられることがよくありました。

あらかじめ最悪の状況を想定して、必要なものを準備しておいたり、利用者さんに声をかけながらお世話することで、本人にも協力してもらったりして、少しずつスキルが上がったと思っています。

 

本人の自尊心を傷つけないように、できるだけ手早く処理ができたらいいですよね。相手が便で失敗した時は、「こんなの全然平気。何でもないよ。みんなによくあることだからね。」と声をかけ、また本気でそのように思う(思おうとする)ことが大切だと思います。

 

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まとめ

加齢によって肛門の筋肉の機能が低下することにより便意を感じにくくなり、便失禁が起こりやすくなるのは、しかたのないことです。

高齢者の便失禁にはあわてない、責めない、イライラしないことだと自分に言い聞かせて、冷静に対処することが大事です。必要なおむつ類やタオル、手袋などを準備しておくとよいでしょう。

最初は大変だと思いますが、慣れてくれば手際もよくなり、自分のやりやすい方法も見つかると思います。本人の自尊心を傷つけないように、できるだけ手早く処理ができるようになりたいですね。

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