介護で下の世話(排泄)は大変ですよね。
介護するようになる前は、こう思いませんでしたか?「この人のおむつを替えるなんて、絶対に無理!」と。
そして介護が始まり、実際に下の世話をすることになりました。毎日、それが苦痛で仕方がありません。どうして私がこの人の排泄の処理をしなければいけないのか、という思いです。
ここまでの気持ちではないとしても、何かしらの感情はあるのではないでしょうか。
たとえ相手のことを大事に思っていても、あるいは相手との関係が良好だとしても、下の世話というのは、できたらやりたくないものですよね。
ここでは、下の世話が楽になる方法を考えてみたいと思います。
高齢者の下の世話を楽に行うための方法とは?
介護で下の世話がつらい、やりたくないという気持ちはしかたがないと思いますが、少しでもそういう気持ちをやわらげることができたらいいですよね。
たとえば、姑の下の世話をしている場合、友人に「お義母さんの便の処理なんて、嫌だ~!」と言うんです。
下の世話は自分の仕事だと思って、ひとりで抱え込むことでストレスがたまり、イライラします。そのイライラを介護する本人にぶつけてしまったら、虐待にまで発展するケースもあります。
そうならないように、誰かに「今のつらさ」を聞いてもらうことが大事です。
プロの視点でいろいろなアドバイスをくれるので、気持ちが楽になります。私は、この人たちにだいぶ頼っています。
現在、義母の介護は、主に義兄と私でやっています。私は義母の家のすぐ近くに住んでいて、毎日通っています。義母の身の回りのことは、通常義兄がやってくれて、私は主に下の世話と食事などを担当しています。
義兄に下の世話を頼めたらいいのですが・・義兄には軽い知的障害があり、苦手なことも多く、義母の排泄に関してはうまくできません。
でも、汚れたものを私が手洗いした後、洗濯機を回し、干すということは、できます。
私以外に義母の下の世話ができるのは夫ですが、実は最近やっとできるようになりました。
私が外出している時に、義母が便失禁をした時がありました。その時、初めて夫が母親の便の処理をしたのです。
最初はとても抵抗があったそうですが、やるしかないと思ったらできたとのこと。その後も何回かそういうことがありました。
でも実際には、そうしたくてもできない状況にあるかもしれませんね。要介護者とあなたとの2人暮らしで、誰かに変わってもらうことができない人もいるでしょう。
介護に携わっているのは自分だけではないけれど、他の者には下の世話はちょっと頼みにくいという人もいるかもしれません。
週に何回か、介護ヘルパーを派遣してもらって、本人のトイレ誘導やおむつの交換をしてもらうというサービスを受けることができます。
ただし、介護ヘルパーが来た時にいつでも助けが必要だとは限りません。たとえば、たった今、便が出て処理を済ませたところに介護ヘルパーが到着したとか。
介護ヘルパーは、決められた時間に来ることになっています。介護される人の排泄のタイミングとヘルパーの来るタイミングがぴったり合うことのほうが珍しいといえるでしょう。
私の体験では、義母の介護ヘルパーにいろんなことを相談すると、「ここはこうした方がいいですよ」といったアドバイスをもらうこともできるので、本当に心強いです。
嫌だと思っていた義父の下の世話が自然にできてしまった!
私は、義父がまだ介護が必要でなかった時から、こう思っていました。「この人の介護をすることになるのかな、それは無理だな。特に下の世話なんて、考えられない」と。
でも、その心配が現実になった時は、もう嫌だなんて言っていられません。義母と私でやるしかなくなりました。もちろん、訪問看護師や介護ヘルパーの助けを借りましたが。
義父の下の世話は、自然にできてしまったんです。それは、義母と一緒にやったからだと思います。
義母がやっていた義父のおむつ替えを少し手伝うというところから始めて、いつの間にか、便の処理までできるようになっていました。
義父のおむつをはじめて替えた時から、もう12,3年になるでしょうか。その後、介護の仕事に就いた経験もあり、そこではほぼ毎回、下の世話の体験をしました。
そして、現在は義母の介護をしています。もちろん、下の世話は日常のことです。
私に今言えることは、下の世話は、必ず慣れるということ。
慣れたからといって、全然平気というわけにはいかないかもしれませんが、「もう、なんでこんなことしなきゃいけないの!?」という強い拒否反応はなくなります。
最初は嫌々ながらやっていても、だんだん慣れていく。そして慣れるにしたがって、手際もよくなり、負担が減っていきます。
高齢者の下の世話の方法については、こちらに詳しくまとめているので、参考にしてください。
⇒ 高齢者の便失禁にどう対処する?気持ちの持ち方や処理のしかたを見直そう!
毎日の下の世話が少しでも楽になるために、自分をほめる
義父とはあまり話すことがなく、心を許せる相手ではなかったので、義父の下の世話には、最初は抵抗がありました。
一方、義母との関係はよかったので、下の世話をするのが嫌だという気持ちはあまりありませんでした(全くなかったと言えば嘘になります)。
自分の親に対して、あるいは舅、姑に対して、恨みの感情を持っている人もいます。
助けてほしい時に助けてくれなかった、さんざん嫌味を言われた、嫁としての扱いを受けなかったなどなど、感情にしこりがあると、下の世話なんて絶対にしたくないという気持ちが強くなりますよね。
こんなことやりたくないという感情は、自然なものです。時には、気持ちが顔や態度に出てしまうかもしれないけれど、それは仕方がないことだと思います。
でも、あなたが介護している相手には、「こんなことをしてもらって申し訳ない」「ありがたい」という気持ちは、きっとあると思います。たとえ認知症の人でも・・・。
相手から「ありがとう」という言葉は、返ってこないかもしれません。むしろ返ってこないことがほとんどでしょう。
だから、自分で自分をほめてあげませんか?介護して、下の世話までしている自分は、本当によくやっている、と。
私の場合は・・友人がほめてくれます。そしてケアマネジャーがほめてくれます。
まとめ
介護ができるかどうかって、結局、下の世話ができるかどうかなんですよね。本当に、きれいごとではすまされないんです。
下の世話がどうしても嫌だ、やりたくないというのなら、それを貫くのもありだと思います。できないという思いを抱えたまま介護を続けるより、自分の気持ちに正直に向き合い、本心を話していくことが大事だとも思うんです。
私たちは介護について、日々悩み、試行錯誤を繰り返しています。その中で、きっと落ち着く場所があると思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
コメント
87歳の男性でう、妻を介護してます、要介護3です、ケヤマネージと話してショトステといろいろ、してますが大便の事が一番辛いですよ、元気ですから1人で面倒見てます、仕事と思うようになり、割と楽な気持になりました、本当に自分1人で頑張りますよ
村上様
コメントありがとうございます。
奥様の介護をお一人でなさっているとのことで、大変な思いをされているのですね。
下の世話、特に便の処理は本当につらいものですよね。どうかご無理をなさらず、ご自身のお身体にも気をつけてくださいね。