義両親の介護のことを考えると不安になりませんか?
将来、自分が義両親の介護をすることになるのではないか。介護にかかる費用はどうするのか。兄弟たちはどのように介護に関わるのか・・・。
考え始めると、きりがありません。
その時がくるかもしれないし、来ないかもしれません。あれこれ考えて、不安を大きくすることはありません。
必要なのは、夫(あるいは妻)と、義両親が介護になったらどうするか、話し合う機会を持つことだと思います。義両親の財産について、わからないことがあれば、ざっくりとでも把握しておいた方がいいと思います。
いざという時に、あわてずにすむように。
このページでは、義父の介護が突然始まり、義父を見送ったあと、義母の介護をすることになった私の体験を書いています。
その体験から、義両親の介護にはお金の問題が不可欠であることについて、まとめています。
【義父の介護から逃げていた】
義両親の介護、考えただけで、気が重くなりますよね。自分の両親のことだってそろそろ考えなければいけないですしね。
まだ子供に手がかかるという人もいるかと思います。
実は、夫も私も、義父が要介護2の認定を受けたときのことを、よく覚えていないのです。
私たち家族は、義両親の家の近くに住んでおり、週に何度か行き来はしていました。しかし、まだ子供が小さくて手がかかっていたこともあり、義父のことはすべて義母がやっていることに何の疑問も持ちませんでした。
義両親の長男は一緒に住んでいましたが、長男も介護には参加せず。
ずいぶんひどい息子たちだったと思います。
義父は風邪をこじらせて肺炎になり、入院。そして生死をさまよい、家族は悔いがないように見送るつもりでいましたが、なんとか命をとりとめました。
しかし、寝たきりの状態になり、認知症も一気に進み、半年足らずの間に要介護5の認定を受けました。
夫と私は、義父の介護を義母だけに任せていたことを深く悔いたのですが、過ぎたことはどうしようもないので、せめてこれから義父のことをしっかり看ていこうと思ったのです。
【義父の介護からもう逃げない】
寝たきりになり、経管栄養(鼻に管を入れて栄養を摂ること)になった義父の介護は、ほとんど義母と私がすることになりました。
訪問医療や訪問介護に助けられ、義父の経管栄養のケアや痰の吸引、下の世話などに明け暮れる日々。
でも、もう逃げたいとは思いませんでした。
義父は経管栄養の液体で誤嚥を起こし、入院して戻ってくる時には、経管栄養も不可能で、点滴だけの栄養になりました。
とても長く感じられた義父の介護でしたが、在宅で介護したのは、トータルで8か月ほど。あとは入院生活です。
義父を見送ったときの悔いは、ありませんでした。やれるだけのことをやったので。
【続いて義母の介護が始まった】
義父のことで大変な思いをした義母は、「私は絶対に介護されるようにはならない」と言っていました。
ところが・・・。
現在は要介護2。認知症が進み、動きは鈍く、やっとの思いで歩いています。
おかあさん、「私は大丈夫」って言ったじゃない!どうしておかあさんまで認知症になってしまうの?
こんなことを言っても、どうにもなりません。
義父が亡くなってからしばらくの間は、義母は私たち家族と旅行をしたり外食をしたり、家ではテレビを見たりパズルをやったり本を読んだりと、楽しい時間を過ごしていました。
しかし義母は、1人だとなかなか散歩する気にならない、1人で出かけることはしないなど、自分から進んで動くことがほとんどありませんでした。
親しい友人もいません。
ゲートボールに誘ってくれる人がいましたが、もともとゲートボールが楽しいわけではないので、行かなくなります。近所のコミュニティーセンターでやっている高齢者対象のサークルも、面倒がって、行きませんでした。
私は週に2、3日、パートに出るようになったので、義母と過ごす時間は限られてきました。
夫や私が誘わなければずっと家にこもっている義母に対して、無理に刺激を与えることは難しくなってきて・・・。
だんだん義母は歩けなくなり、認知症の症状が出るようになりました。
そして、5年前の脳梗塞。これが1つの分岐点で、義母の認知症はまた進むことになるのです。
【義両親の介護の費用は本人たちのお金で】
義父は自営業をいとなみ、義母も一緒に働いていました。最後の何年かは赤字だと言っていましたが、自分たちの老後を送るのに十分な蓄えは残していました。
義父の入院や在宅での介護にかかった費用は、すべて義父のお金を使っています。そしてまた、現在の義母の介護にかかる費用も、義母自身のお金でまかなっています。
もし、義両親の介護の費用を夫と私で援助しなければならないとしたら、精神的にも相当な負担がかかっていたと思います。
お金の問題は大きいですよね。
義母の介護はまだまだ続きますが、しばらくは義母の通帳にあるお金でなんとかなりそうです。
義父の介護が始まったのは15年前です。義父を見送った後、義母が元気な時が少しあったので、その期間を除くと、私は12年ほど、義両親の介護に携わってきたことになります。
義父は、訪問医療と訪問看護、そして毎日の訪問介護をお願いしていました。時には1日2回、訪問介護を頼んでいたこともあります。
義母は、現在、週3回のデイサービスと月1回のショートステイ、訪問介護、訪問リハビリ、介護用品レンタルで、月に5万円ほどかかっています。その他、病院代やおむつ代(1割負担)がかかります。
義父も義母も、介護保険をめいっぱい使って、介護サービスを利用しています。
義両親の預金はすべて介護にあてるつもりです。遺産なんて、もちろん期待していません。
義母が何歳まで生きるかわからないし、義母の預金がなくなったら、私たち夫婦がお金を出すことになるかと思います。
介護にどれだけお金がかかるのか、かけるのか。そのお金はどこから支払うのか。
介護が始まりそうなとき、あるいは始まってしまってからでも、お金の問題ははっきりさせておいた方がいいと思います。
義兄弟がいる場合は、どのように介護を分担するか、ですね。
【まとめ】
義両親の介護をしたくないと思っているあなたも、もしかしたら介護を避けられない状況になるかもしれません。避けたいと思っていても、いつのまにか義両親の介護にどっぷりはまってしまうことだってあるのです。
とくにあなたの夫が長男だったりしたら、可能性は大いにありますよね。
そのときのために、今、ためらわずに夫と話し合いましょう。
財産に関することは、後回しにすると、こじれたときに大変です。言いにくいことかもしれませんが、夫に聞くなり、義両親に聞いてもらうなりして、今の状況をざっくりとでも把握しておきたいですね。
義両親の介護がまだ先のことだという時期は、ただ介護を拒否する感情が強いと思います。しかし、実際にその中に飛び込んでみたら、案外うまく流れていくということもあるかもしれません。
もう逃げられないということになったら、よりよい方法で介護できるように、いろんなサービスを利用しながらやっていくしかありません。
でも、きっと、なんとかなるものです。