認知症で料理をやめる?手と脳のためにできること

認知症の人に料理をさせることは不安ですよね。もうやめてもらってもよいのだけれど、もしかしたら続けさせた方がいいのかもしれない・・・。

家族は悩みますよね。

 

私は、義母が料理で失敗することが続いたので、義母に料理をやめてもらうことにしました。あれから5年。私が義母の食事を作っていますが、時々、できることを手伝ってもらっています。

といっても、全部自分でやった方が早いので、こちらに余裕がある時だけですよ。

ここでは、認知症の人が料理することについて、どんなメリットがあるか考えてみたいと思います。

 

【認知症の人の料理の問題とは】

認知症の人が料理をすることについては、以下のような問題が考えられます。

・料理をするのが面倒になる
・献立を考えるのが難しくなる
・味付けがうまくできなくなる
・火の消し忘れで、料理や鍋をこがしてしまう
・同じものばかり作ってしまう

病気などで、これらのことが一度に起こることもありますが、多くの場合、少しずつこのような状態になっていきます。

 

認知症が疑われる時点から、たいてい料理に支障が出ています。だから、家族は本人に料理をやめさせようと考えます。でも、やっかいなのは、本人が料理したいと強く望むことです。

その場合は、ご家族が料理に付き添ったり、ある一定時間しかガスが出ないようにする契約をするなどして、安全には十分注意しなければなりません。

 

【義母が料理をやめるまで】

義母が料理を全くしなくなってからもう5年ほどになります。もともと料理がそれほど好きではなかったので、キッチンに立つことがなくなっても不満を感じている様子はありません。

認知症の症状がはっきりする前から、料理に不安が出てきていました。

・煮物を作っていて、鍋を火にかけているのを忘れて、焦がす。
・料理が面倒で、作りたくなくなる
・味付けがとても濃くなる
・「うっかり」が多くなる

鍋を焦がした時には、私がたわしで一生懸命こすって、なんとか使えるようにしました。

 

「うっかり」の一例として、ある時、義母がカレーを作ってくれて、子供たちと一緒にそれをを食べようとしたら、豚肉が全く切っていないまま入っていたことがありました。

ある時、「もう料理はやめようね。これからは私がご飯を作るから」ということを義母に話しました。

そして、義母の家のガスコンロの電池を抜き、ガスの元栓を切っておくことに。それに対して義母の抵抗はありませんでした。

 

義母は、料理をしなくなってからもしばらく電子レンジだけは使っていましたが、それも使えなくなりました。牛乳を長時間温めてしまい、取り出す時にやけどをした時が最後です。

普段は、電子レンジの電源も切っています。

 

【デイサービスでも料理の時間がある】

義母は料理にあまり未練がないようだったので、このままずっと料理することはないだろうと思っていましたが・・・。

義母がデイサービスで料理の手伝いをする時、張り切るというのです。職員さんや本人から聞いたことによると、デイサービスでは野菜を切るのが得意なのだそう。

義母の通うデイサービスでは年に何回か、イベントの時に職員と利用者が一緒に料理をします。作るものは、カレー、豚汁、焼きそば、ちらしずしなど。野菜の皮をむいて切るところから始めます。

義母のところには、面倒なニンジンが来るそうです。

「なぜ、ニンジンはおかあさんなの?」「みんな大変だからやりたがらないから」「おかあさんは大変じゃないの?」「私は上手にむけるって、みんなが言うんだよ」

もしかして、うまく乗せられてる・・・?(笑)
おだてに弱い義母は、いつのまにか、率先して野菜を切るようになったそうですよ。

 

デイサービスで野菜を切るだけでも意味があるのでしょうが、義母にできることがあるなら少しでもやってもらおうと思い、時々ですが、家でも料理を手伝ってもらうことにしました。

あくまでも、こちらの気持ちと時間に、余裕がある時に。

 

【義母に手伝ってもらう料理】

ちょうど今日、義母に頼んだのは、リンゴを切ることです。

義母には山形に妹がいるのですが、毎年、この時期にリンゴを送ってくれます。蜜がたくさん入ったおいしいリンゴです。

 

テーブルについた義母の前にまな板と包丁を置いて、まず、私がリンゴを半分に切りました。あとは義母の仕事です。

義母はリンゴをさらに半分に切り、丁寧に皮をむいていき、芯も上手に取り除きました。そしてさらに小さく切って、お皿に載せました(義母が食べやすい一口大です)。

義母と義兄と私と3人で、美味しくいただきました。

ふだん義母にやってもらう料理を挙げてみます。

・玉子焼き、ハム、豆腐、ちくわなど、切りやすいものを切る
・ちらしずし、混ぜご飯など、ご飯と具を混ぜ合わせる
・ゴマをすり鉢でする
・リンゴ、なし、柿などの皮をむいて、切る
・ドレッシングやソースを作る時、材料を混ぜ合わせる

 

なるべくいろんなことをやってもらうのがよいのはわかっているのですが、私が一人でやった方が早いので、ほとんどの作業は自分でやってしまうのですが・・・。

あくまでも、義母がやる気になっていて、楽しんでできることが前提です。気持ちが乗らない時、面倒そうだなと思う時は、頼みません。

 

「きれいに切ってくれたね」「おいしそうにできたね」「さすが、やることが丁寧だね」・・・

ほめるのがいいみたいです。本人は満足そう。

手伝ってもらって助かった、ということを伝えるようにしています。なんだか、子どもにお手伝いをさせるのとよく似ていますね(笑)。

 

【認知症の人が料理することのメリットは?】

認知症の人に料理の手伝いをしてもらうと、こんないいことがあります。

・手や指、腕を動かすことでリハビリ効果がある

・手先を動かすことで、脳に刺激を与える

・上手にできると自信が持てる

・自分も役に立っているのだと思える

確かに、認知症の人に料理を手伝ってもらうことは、面倒です。時間がかかるでしょう。もし、本人がそれを望まないのなら、無理してやる必要はないと思います。

相手もこちらも笑顔になる時間ができるなら、ぜひやってみてほしいです。

 

【まとめ】

認知症の人は料理するのが難しくなってきますが、もし本人が望むのなら、できる範囲で料理してもらうのがよいでしょう。

切りやすい食材を切ってもらったり、ご飯と具を混ぜ合わせたり、ゴマをすったりといった簡単な作業なら、あまり負担にならずにできると思います。

 

自分でやった方がずっと早いし、楽だと思うでしょうが、本人にやってもらうメリットがいろいろあるので、介護するご家族の負担にならない程度に手伝ってもらうというのはいかがでしょうか。

本人が生き生きする時間になるかもしれませんよ。

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