高齢者は転ぶ?一生の怪我にならないために注意すべき点

高齢者はよく転ぶようになります。転ばないように気をつけたり、上手に転んだりできればよいのでしょうが、そもそもそんなことができる人は、転びません。

いつまでも歩けるように、歩行を頑張ってほしい。でも、こんなに転倒を繰り返すのなら、いっそ車椅子で生活してもらった方が楽なのかも、なんて思うことはありませんか?

高齢者の転倒は、介護する側を悩ませ、苦しめるものですよね。

【高齢者はとにかく転ぶ。骨折したり寝たきりになることも】

義母が初めて転んだのは7,8年前くらいのことだったと思います。家の中で前に転び、メガネを壊し、手を痛めました。

そのころから、転ぶことが増えていきました。

部屋の中に干してある洗濯物を取ろうとして転ぶ。戸棚の食器を取ろうとして転ぶ。お仏壇の線香を取ろうとして転び、線香をばらまく。おむつを探しに行こうとして、転ぶ。

手すりが近くにない所で転ぶことが多いのです。

デイサービスで転んで後頭部を打ったことがあります。家に帰ってから嘔吐し、血圧が200近くになり、その時は救急車を呼びました。検査の結果、脳や骨に異常がなかったので、その日のうちに家に帰ってこられました。

私が以前勤めていた高齢者のデイサービスでも、転倒にはいつも注意していました。

一人で歩いてはいけないと言っても聞かず、トイレに行こうとして転ぶ人、職員が目を離したすきにテーブルから立ち上がろうとして転ぶ人など、いろんな転倒を見てきました。

小さい子供が転ぶのとは違って、高齢者が転ぶと、すぐに起き上がれません。痛い思いをするだけでなく、大きな怪我につながります。中には骨折して入院したり、寝たきりになってしまうケースもあります。

【認知症が進むとますます転倒しやすくなる】

気をつけていれば、転倒は防ぐことができそうです。

ところが、これができないのが高齢者なんですよね。とくに、認知症という症状が加わると、転ばないように意識するということが難しくなります。

「この動作は危なくて転びやすいから気をつけてね」と何度言われても、覚えていて注意することができません。だから何度も同じようなことを繰り返します。

転んで痛い思いをしても、その痛みも、その事実も記憶に残らないのですから、仕方がないことですよね。

だからといって、何もせずにいてよいわけではありません。周りの人は何度も声をかけ、転ばないように注意を促すことが大切です。

義母は、以前は今よりも体が楽に動いたため、歩いたり動いたりするスピードが速く、勢いよく転ぶことが多かったのです。今は動きがゆっくりになり、それほど激しい転び方はしなくなりました。

といっても、転んで怪我をしたりあざを作ったりするのは、以前も今も変わりません。

先週、義母の身に起きたことです。

便をもよおしたので、トイレに行くことにしました。そうしたら、歩いている途中で、おむつの中に便が出てしまいました。トイレまで行き、自分で始末しようとしたけれどうまくいかず、前のめりに転び、前にあった男子用トイレに顔が突っ込んでしまいました。

その時の大きな音を聞いた義兄がトイレにかけつけ、なんとか義母を男子トイレから助け出し、床の上に座らせました。

私が電話で呼ばれた時、義母は下半身が便まみれになって、座っていました。手すりにつかまらせて体を起こし、お風呂場で下半身を洗いました。

義母が痛みを訴えたのは、まず、額でした。少し赤くなっていて、触ると痛がりました。

しばらく経ってから左肩が痛いと言うので見てみると、内出血してあざができていました。そこに湿布を貼り、様子を見ることにしました。

転んだ時の様子を義母に聞いても、何をしようとして転んだのか、説明ができません。

認知症が進んでからの義母は、いつもこんな調子です。なぜ転んだのか、どういう動きをしたのか、どんな体勢で転んだのか、などを覚えていないのです。

骨折などはしていなかったので、ひとまず安心しました。

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【高齢者の転倒を予防する5つの方法】

高齢者の転倒を少しでも減らすために有効だと思われることを、以下に挙げてみます。

①家の中に手すりを設置する

家の中に手すりをつけることは、転倒防止に最も有効であると考えます。手すりにつかまりながら歩くことで、歩行がかなり安定します。

高齢者の安全のために手すりをつけるというリフォームには、介護保険による補助が出る場合が多いので、自治体やケアマネジャーに相談してみるとよいと思います。

家中手すりをつけられればよいのですが、残念ながら、つけられない場所もありますよね。高齢者は、手すりがなくてもおかまいなしに動くことが多いので、そこで転びます・

そこで、つかまるものがなくて歩行が危険だと思われるところには移動しないように声をかける必要があります。

手すりがあっても、それを使わずに歩こうとする場合があると思います。「私はこんなものがなくてもちゃんと歩けるから」と言うのです。

そういう時は、その言葉を否定せず、「そうだよね。でも、もしものことがあったらいけないから、念のために手すりを使おうね」などと声をかけるとよいでしょう。

②高齢者が移動する所をすっきりさせておく

まず、足元に物を置かないようにすることは必須です。物につまずく、物をよけようとしてふらつくなどで、転びやすくなります。

高齢になると、それまでにきちんとできていた部屋の片付けもおっくうになったり、物が捨てられなくなったりして、部屋の中が雑然としてくることが多くなりがちです。

家族が片付けようとするとそれを拒否する人も多いので、そういう場合は、介護保険でお掃除のサービスを受けるなどして、できるだけすっきりした環境を保ちたいですね。

義母の場合は、椅子の背もたれにつかまる傾向があったので、不要な椅子は片付けました。椅子のように、体重をかけると簡単に動くものは、危険因子になります。

高齢者の行動パターンをいろいろ想定してみると、思わぬものが転倒の原因になっていることがあるので、注意が必要です。

③転びにくい靴や靴下をはく

家の中での転倒が多い人には、ぜひ靴をはくことをおすすめします。

最近は介護用品を扱うお店も増えてきて、高齢者が安心してはける靴や靴下を置いている所も多くなりました。

介護用の靴は、履くのも脱ぐのも楽にでき、歩きやすく、すべりにくいように作られています。

靴下も、足の裏のところにすべり止めがついているものがあり、床の上ですべりにくくなっています。

義母は、もう10年以上も介護用の靴と靴下を利用しています。実は、室内用の靴も履いていたのですが、その靴を履いていて転んだので、もう何年も、家の中でも外ばき用の靴を履いています。

家の中でも靴を履くようになってから、すべって転ぶことが減りました。とはいえ、靴を脱いだまま動くこともあり、その時に転ぶので、これ以上対策を立てることができない状況です。

④ゆっくり動くように声をかける

誰かが来たといっては、急いで立ち上がろうとする、早く玄関に行こうとする、あわてて電話に出ようとする、などなど、急ぐ必要がない時でも、せかせかと動いて、転んでしまう高齢者が多いようです。

義母もかつてはそうでした。現在は、早い動きができなくなったので、この悩みは減りましたが、「歩いていて向きを変える時のスピードが速すぎる」と、よくリハビリの先生に言われます。長い間の習慣なので、そうそう簡単には直りません。

何をするのも、ゆっくりやるように、常に声をかけることが大事だと思います。

⑤筋力の低下を防ぐための運動をする

高齢になっても、しっかり歩行ができ、体のバランスを保つことができて、いざ転びそうになった時にふんばる力があるなど、総合的な筋力が必要です。

その人の現在の体力や筋力、病気の有無などにより、できる運動もさまざまだと思います。

デイサービスでの体操、リハビリ施設での運動やマッサージなど、その人に合った運動を続けていくことが望ましいと思います。

義母はもともと運動が好きな人ではありませんが、デイサービスの体操は楽しんでやっているようです。散歩も、無理がない程度に続けています。

この中で最も有効だと思うのは、①の手すりです。義母は今、手すりなしでは、家の中を歩くことができません。トイレに行くにも洗面所に行くにも玄関まで行くにも、手すりにつかまってゆっくり歩いていきます。

手すりにつかまりながら家の中を行ったり来たりすることは、義母には大事なリハビリになっています。

手すりは、義父の介護の時から義母の時まで、何度かにわたって設置してもらいました。介護保険の限度額まで使わせていただきました。

周りの人が、高齢者の転倒を常に想定し、周りに危険なものはないか、床はすべりやすくないかなど、細心の注意を払う必要があります。

ほんの一瞬の不注意が大きなダメージにつながります。本人も家族も後悔することがないように、転倒の予防をしっかりやっていきましょう。

【まとめ】

高齢者はよく転びます。そして骨折や怪我をする人が多く、寝たきりになることもあります。特に認知症が進むと、気をつけることを忘れてしまいがちなので、周りの人が注意を喚起することが大事です。

高齢者が転ぶのを減らすために有効なことを、以下に挙げてみます。

①家の中に手すりを設置する

②高齢者が移動する所をすっきりさせておく

③転びにくい靴や靴下をはく

④ゆっくり動くように声をかける

⑤筋力の低下を防ぐための運動をする

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