介護認定を受けるのを拒否しているために、大変な状況にいる人がいます。
私の両親もそうでした。
毎日頑張っているんです。なのに、もっと頑張れると思ってしまうんです。本当に真面目によくやっていると思います。でも、そのままいくと、介護している人が倒れてしまいます。
すでに介護認定を受けて、必要なサービスを利用している人だって、介護は大変なんです。私なんて、要介護2の義母の介護に、めいっぱい介護サービスを利用しています。点数がいっぱいで、もうこれ以上サービスが受けられないくらい(笑)。
ここでは、介護認定を拒否している高齢者あるいはその家族が、どうしたら他人に助けを求めることができるのか、考えてみます。
介護認定を拒否していた80代の老夫婦に起こったこととは?
義母の家の隣に住む老夫婦は80代半ば。足の具合が悪くて歩くのが困難な女性に代わり、ご主人が買い物をしている姿をよく見ました。
女性が窓を開けた時に、私は時々おしゃべりをしました。彼女はその時間を楽しみにしているようでしたが、いつもあわただしくおしゃべりを打ち切っていました。
女性から聞いた話によれば、こんな状況です。
食事のしたく、家の中の掃除は彼女がやっている。ずっとご主人と一緒でストレスがたまる。長男も一緒に住んでいるけれど、家のことはほとんどやらない。次男夫婦は遠くに住んでいるため、あまり来られない。足の通院にはタクシーを使って、一人で行っている。
頭がはっきりしている女性です。認知症の症状はないと思います。家事はこなせるけれど、かなり大変な様子。
私は彼女に「介護認定を受けて、お掃除や料理をお願いするサービスを利用してみたら?」と、何度か提案してみましたが、いつも答えは「ノー」でした。
その理由は、
・まだ他人の助けを借りるほどではない
・家の中に他人が入ってくるのは嫌だ
という、介護認定を受けるのを拒否する人がよく挙げる内容でした。
彼女はいつもこう言うんです。「お宅はいいわね。お嫁さんがいろいろやってくれて。」
これには何も返す言葉がありません。
「もし何かできることがあったら,言ってください。」と伝えていましたが、助けを求められたことは一度もありませんでした。
そして先月、その女性は突然、亡くなってしまったんです。
老老介護の悲しい結末!介護認定を拒否することで負担が大きくなる!
隣に住む女性のお通夜に出席して、その時、ご家族から話を聞きました。
病院嫌いの女性は、体調が悪くてもなかなか病院に行かなかった。今回病院に行った時は、もう詳しい検査もできないくらい、内臓がダメージを受けていた。入院中は元気で、家族ともよく話をしていたが、病状が急変して、亡くなってしまった。
家族はもう少し助けてあげられなかったのだろうかというのは、私の勝手な考えです。家族にとってみれば、いろんな言い分があるでしょう。
ご主人には「介護」というつもりがあったかどうかわかりませんが、「老老介護」の悲しい結末だといえます。
両親あるいは義両親のだれかが介護認定を受けることを拒否している場合は、その気持ちをほぐしてもらうことから始めませんか。といっても、これがとても難しいのですが・・・。
これは、介護認定を拒否しているのが本人であったケースですが、介護している側が介護認定を拒否する場合もあります。
私の実家の母は、認知症の父と2人で暮らしていましたが、父の介護認定を受けることを拒んでいました。父をデイサービスに行かせたり、家の掃除を頼んだりしたらどうかという私の提案はいつも却下されていました。
このことについては、こちらに書いています。
→ 老老介護の両親をどうする?遠距離でも支援できる方法
https://soins-life.com/rouroukaigo-ryoushin/
介護認定を拒否する高齢者のプライドを理解し、他人に助けを求めるように導く!
介護認定(要介護認定)とは、「高齢者が要介護状態(介護を必要とする状態)、あるいは要支援の状態であるか。どの程度必要なのか。」という判定を行うものをいいます。保険者である市町村に設置される介護認定審査会において判定されます。
まずは、地域包括支援センターや市町村の介護福祉課などに電話して、あるいは出向いて、現在の状況を相談してみたらいかがでしょうか。
私は、地域包括支援センターの保健師さんに、今困っていること、これからの不安などを話し、適切なアドバイスをもらうことができました。そして介護認定の手続きをして、比較的早くケアマネージャーが決まりました。
実はこれは義兄のことです。義母の介護認定はもう10年以上前なので、よく覚えていません。義兄の要介護認定については、また別の機会にお伝えします。
その人のプライドを保ちつつ、素直な気持ちで他人に助けを求められるように導くこと。これが大事だと思います。
掃除や買い物、料理を介護ヘルパーに依頼している人はたくさんいること、家事をするのが大変だからこそお願いするのであって、家の中が散らかっているのは当たり前であることなどを、丁寧に話し、理解してもらうようにします。
・少しだけでも助けてもらおうよ
・たまには息抜きするのも必要だよ
・介護サービスを利用している人はたくさんいるんだよ
このように、機会があるごとに介護サービスのメリットを説明していきましょう。
具体的に、こんな人がこんな利用の仕方をしているという話もできたらいいと思います。
介護認定を受けることで、介護する人もされる人も楽になる部分が多いと思います。まずはケアマネジャーを紹介してもらうところまではいきたいですね。ケアマネジャーに介護の悩みをいろいろ相談してみると、これからの方向性が見えてくるのではないでしょうか。
まとめ
介護認定を受けるのを拒否している人は、頑張りすぎてストレスや疲れをためています。家事の援助をしてもらう介護サービスを提案すると、多くの場合、却下されます。その理由は、「まだそんな助けは必要ない」とか「家の中に人を入れるのは嫌だ」というものです。
「家の中が汚いからこそ掃除を頼むのであって、きれいなら必要ないでしょ。みんな利用しているんだよ。」などと説得してみるのもよいと思います。
介護認定はを受けるためには、お住まいの地域包括支援センターや市町村の介護保険課に問い合わせてみてください。